焦点距離は、画角を決定する。
画角とは、レンズを通して見える景色の大きさのこと。
広々と写るのを広角、人間の目に近いモノを標準、遠方が写るものを望遠と呼びます。
画角の度合いを示すのに、通常、焦点距離という数字を使い、その数字が小さければ広角、大きければ望遠と言うことになります。
何で、その数字になっているのか? って説明は長くなるので、ここでは省きます。
で、具体的に何ミリがどうなんだよ! って事なんですが……それはカメラのセンサーサイズによって違ってきます。
センサーサイズって言うのは、レンズを通した光を拾うセンサーの大きさのことで、細かい事を割愛するけれど、これが大きいカメラほどゴツイ傾向にある。(あくまで傾向だけど)
・フルサイズ
(もっとセンサーの大きいカメラもあるけど、)家電量販店が普通に売るカメラの中では、これが一番大きい。
性能に関しても、この「フルサイズ」って言うのを売りにしているから、知らず知らずのうちに、このカメラを買う人はいないと思う。
基本的に大きめの一眼レフカメラがコレである。
代表的なのは、Nikon D4、D800、D600。Canon EOS-1D X、5D Mark3、6D。SONY α99となっている。
・APS-C
少し小さめのセンサー。
フルサイズじゃない一眼レフカメラは、大体コレ。
Nikon、Canon、SONY、Pentax辺りのメーカーが出している。
ミラーレス機では、SONYのNEXシリーズ、Canon EOS M、FUJIFILM Xシリーズがそうである。
・マイクロフォーサーズ
m4/3なんて書き方をする。
昔は、マイクロじゃないフォーサーズなんて規格の一眼レフがあったが、多分、もう出てこないんだろうなぁ。
センサーサイズは更に小さい。
でも、一部のプロは「これでも充分仕事が出来るよね」みたいな事を言っている。まぁ、プロが言ったから正義ってこたぁないけどさ。そう言うポテンシャルはあるって事。
日本のメーカーなら、OlympusとPanasonicのカメラがコレ。
・その他
もっと小さいモノとして、Nikon 1とかPentax Qなんてのもある。
どちらもミラーレスカメラで、小ささを売りにしている。
そんな訳で、如何に大体の換算表を用意した。
ただ、何処から何処の範囲を標準と呼ぶか、広角と呼ぶか……と言うのは、人やメーカーによって微妙に異なってくる。だから、参考までに……と言う風ではあるけど。
サイズ | 超広角 | 広角 | 準標準 | 標準 | 中望遠 | 望遠 | 超望遠 |
フル サイズ | ~24 | 24~35 | 35~40 | 40~60 | 85~100 | 135~300 | 400~ |
APS-C | ~16 | 16~23 | 23~28 | 28~43 | 50~85 | 90~200 | 300~ |
m4/3 | ~12 | 12~18 | 18~20 | 20~30 | 40~50 | 70~150 | 200~ |
Nikon1 | ~9 | 9~13 | 13~15 | 15~22 | 30~37 | 50~110 | 150~ |
具体的な数字については、焦点距離換算表を用意したので、気になる人は、使ってみて下さい。
ここで、次回に向けて簡単な用語説明……って言うか、知っておいた方がよい知識とか。
○焦点距離
なんと、焦点距離がカメラから被写体までの距離だと思っている人もいるみたいですが、違います。
かといって、レンズからカメラまでの距離かというと、そういう訳でもないんです。
細かい説明は長くなるので、先の表を見て、数字が小さいほど広角で、大きいほど望遠だって事ぐらいを理解していれば大丈夫です。
○単焦点レンズ
焦点距離が変更できないレンズのこと。
50mmなら、50mm以外の焦点距離で撮影する事が出来ない。
一般的に、ズームレンズより画質がよく、背景をぼかして写真を撮りたい時、上手く望み通りの写真が得られる。
○ズームレンズ
焦点距離が変更できるレンズのこと。
18-55mmみたいに、広角側の焦点距離と望遠側の焦点距離を並べて書く。
因みに、一番広角側の焦点距離をテレ端と言い、望遠側の方をワイド端という。
○標準レンズ/標準ズーム
先にあるように、フルサイズで50mm前後の画角のことを標準レンズと言います。(APS-Cだと35mm前後)
レンズキットに標準的に付いてくるレンズだから標準レンズと言うわけではありません。(付いてくるのは普通、標準ズームだけど)
因みに、この画角は片目を瞑って見た時の視野に近いとされます。
また、両目で見た時に近い画角は、準標準レンズと呼ばれたりします。(この辺には多少議論の余地があるようですが)
標準ズームは、広角域から中望遠に掛けての画角をカバーするレンズで、APS-Cのカメラでは、18-55mm、m4/3では14-42mmのレンズがよく用いられます。
○高倍率ズーム / ズーム倍率
コンパクトカメラでも、「○倍ズーム」なんて言葉を見かけますが、これは、テレ端の焦点距離が、ワイド端の焦点距離の何倍あるか、を示した数字です。
当然、倍率が高いほど便利ですね――当然、画質も劣化するのですが。
とは言え、レンズキットに付いてくる標準ズームの画質も知れたモノですので、あまり気にするような話じゃないですけど。
よく見かける言い方では、十倍とかそれ以上の倍率を高倍率ズームと呼んだりしますが、五倍以上もあれば、大体高倍率だって言えますね。
各メーカー、APS-C用に18-200mmなんてレンズを出しています。ニコンに至っては、18-300mmなんてレンズも出しています。
通常、高倍率ズームは、広角域から望遠域までをカバーするものですが、50-500mmなんて言うレンズも世の中にあります。
ダブルズームを買った人が、コレに手を出すと、今までの二本を放りだして仕舞うものらしいです。
○広角ズーム / 望遠ズーム
その名の通り、広角域のズームと、望遠域のズームのことです。
広角ズームは兎も角、望遠ズームは安い(一万ちょっとから三万弱)ものが一通り揃っているので、今は買わずに、後で買うって手もあります……
でも、そこまでするなら、高倍率ズームにすればいいかなって話ですが、その辺については、次回考察しましょう。
○絞り / レンズの明るさ
細かい事は説明しませんが、「F2.8」とか「F5.6」とかって言う数字を見て下さい。
普通は、これが小さなレンズほど、お高いレンズになります。
それは、これが小さいほど、背景(または前景)をぼかした写真を撮る事が出来るからです。
この値を「F値(えふち)」とか「絞り値」とか言いまして、数字が小さい程「明るいレンズ」なんて呼び方をします。
明るいレンズほど、様々なメリットが出てきますし、高いレンズほど写りも良くなります。
この辺の因果関係を語ると、長くなるので、ざっと、「明るいレンズは良いレンズ」だと思っていれば良いでしょう。
○手ぶれ補正
あればあったで嬉しい機能。特に、望遠になればなるほど、手ぶれはシビアになります。
ただ、多くの場合、カメラの持ち方で手ぶれは随分改善されたりします。「手ぶれ補正を求めるとは軟弱者!」とまでは言いませんが、本質的にはもっと便利な使い方の為にあります。
この辺は、勉強していくとおいおい理解していくので、ここでは解説しないこととします。
それで、これがアリとナシでそんなに値段が違うのかと言うと、そうでもないです。
○レンズマウント
「カメラの規格」だと理解すればよろしいでしょう。
以下のような関係にあります。
相互利用は……基本的に無理だと思っておいて下さい。
ミラーレスの場合は特別で、同じメーカーの一眼レフのレンズを取り付けるための道具が売られています。
一眼レフ | ミラーレス | |
ニコン | Fマウント | Nikon1マウント |
キヤノン | EFマウント | EF-Mマウント |
ソニー | Aマウント | Eマウント |
オリンパス パナソニック | フォーザーズ | マイクロ フォーザーズ |
ペンタックス | Kマウント | Qマウント |
富士フイルム | - | Xマウント |
フォーサーズの事を4/3と略します。マイクロフォーサーズはm4/3です。
他にも色々と細かいルールがありますが、一番手っ取り早いのは、店員さんに聞いてみることです。流石に、その辺を理解していないお店は、レンズ交換式のカメラを売っちゃいけないし、買わない方が良いでしょう。
大体、これぐらいの説明で、次回のお話に対応できるでしょう。
もう一度言いますが、今回お話しするのは、APS-Cとm4/3に限定してお話しします。
他は、基本的に純正品しか選択肢はありません。売られていても、初心者は手を出さない方が良いレンズばかりなので……
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