2012年12月31日月曜日

写真のこれから

 年も終わりなので、将来について幾つか考えてみよう。

 はっきり言うと、近い将来、写真の腕なんてものに頼らなくてもよい時代になる。
 それは、職人がやっていた仕事を機械が低コストで高速に、それも正確に成し遂げるようになるのと同じだ。
 新聞記事や文芸作品を書くコンピュータが現れるぐらいだ、シャッターさえ切らなくなる。

ピント

LYTRO社(https://www.lytro.com/)のLight Field Cameraの発売や、『東芝も「ピント合わせ不要」のカメラを開発』(スラッシュドット)と言ったニュースが今年話題になった。
 要するに、ピント合わせなんて特に必要のない時代が来ると言う事だ。
 ところで、AFなんて……って言ってた人種は、今でもしっかり生きているかな?

解像度

今まで以上に解像度の高いカメラが出てくるのは間違いない。そして、それは瞬く間に低価格化することになるだろう。
 光学的な高解像度化は、回折限界で一旦終止符を打つだろうが、それでは終わらない可能性がある。
 超解像技術である。
 これは、単に写真のシャープネスを高める程度だとか 民生用の技術だと思われがちだが、元々は偵察機や偵察衛星の撮った低解像度の写真から、出来るだけ多くの情報を得るために力の注がれた技術だ。(超解像技術とは呼ばれていないだろうけど)
 我々の持つカメラ以外にも、防犯カメラの解析ソフトなどに使われており、伸びしろはまだ大きい。

構図

解像度が高くなってくると、大抵の場合は、一つの写真から切り出せばいいんじゃないか?
 と言う考えに至る可能性は高い。
 現在でも、「切り抜きを考えて大きめに写真を撮る」と言う場面もあるそうで、今後はその方向性が強くなると考えられる。

決定的瞬間

カシオが1,200fpsのカメラを出したのはもう四年も前の事だ。研究用の分野では、その十倍以上の速度で撮影するわけだけれど、この方向性が進めば、動画から好きなショットを切り出せば良いと言うことになる。
 解像度の問題や、フレーム間補完の関係で、写真の代替となる時期は先かも知れない。しかし、極端な事を言えば、写真よりも動画の時代かもしれない。
 写真が動画より優位であったのは、かさばらず持ち運べたからだ。今では、誰でも再生機を持っている。

プロの写真vs素人の写真

アマチュア写真家が愚かにも口にする言葉に「プロのように」と言う言葉がある。
 そういうのは大体、プロのような機材と言う意味だったりするのだから、お笑い種である。
 プロは己の仕事の為に、多くの時間と費用を投資しているわけだから、簡単にその域に入る事はできまい。
 また、目的意識も違う。納期までに、限られた時間で、求められた絵を撮影するのが、プロの仕事な訳だから、単なる「綺麗な写真」だけではダメなのだ。

 だけれど……その写真を見るのも素人となると、その写真はオーバースペックになりやしないだろうか?
 商品撮影や、雑誌(Web上の記事)などの分野では、記者や担当者が一眼レフを手にして、自分の手で撮影する事は珍しくなくなった。
 当然、その人は、写真を撮るために特別な教育を受けたわけではない。(全くの素人と言う事でもないだろうけど)
 プロの写真の方がよいに決まっているが、予算的な問題が立ちはだかるのは容易に想像が付く。
 そして、カメラの技術は、そう言う人でもそれなりに使える写真を生産してくれるようになった。

 素人がグラビアを撮影するようになる事はないだろうけれど、一流とされない……それこそ町の写真館と言ったレベルの人の仕事はますます減っていく可能性が高い。

写真vsCG

写真家の仕事がソフトウェアに置き換えられる時代」(スラッシュドット)に出ているように、CGを用意してやれば事足りる時代も遠くない。
 今時の製品は3DCADなんかで作られるし、3Dプリンタも使われ始めている。三次元データは手元にあるのなら、テクスチャとレンダリングをしっかりすれば、商品を撮影しなくてもよくなる。
 また、商品そのものがない段階から、商品の写真を用意できるのだから、商品撮影をするよりもずっと早い納期を設定できると言う利点もある。

そんなわけで

「誰でも綺麗な写真を安価に手に入れられる」と言う傾向は、今に始まったわけではない。
 そして、それは今後もより進歩していくだろう。

 写真を切り出すことや、CGを指して、「邪道」だとか「そんなモノは本当の写真なんかじゃない」と言う人が出てくるだろうけれど、見分けが付かなければ同じである。
 精神の話も出てくるだろうけれど、そう言うならば、精神を映し出す写真を撮る必要が出て来る。

 具体的に言えば、肖像画の役割の多くは、肖像写真に取って代わられたが、それでも絵を描く人は沢山いるし、それで生計を立てる人々もいる。
 恐らく、写真もそう言う方向に行くだろう。よりアートである方向へと向かうだろう。
 そうしたとき、「写真とは○○である」と言う固定観念は、全く役に立たなくなるだろう。
 その時、高いカメラで綺麗な写真を写しただけでは、誰一人褒めてくれなくなる。求められるのは「突き刺す写真」である。


岡本太郎の言葉を引いて締める事とする。
(今日の芸術は)うまくあってはならない。きれいであってはならない。ここちよくあってはならない。


良いお年を。

2012年12月30日日曜日

お年玉で何を買うか(一万円ちょっとで手に入るカメラ用品)

 お年玉貰うような歳じゃなくて、あげるような歳ですが、ボーナスを何に使う? みたいな話はちょっと違う。
 「ボーナス、何ソレ美味いの?」側の人間なので、ソレも厳しいからだ。
 大体、ボーナスで何を買う? なんてやると、サンニッパからレンズキャップまで様々になるじゃないですか!
 って事で、今回は一万円前後までで買えるアイテムをピックアップしよう。
 来年ぐらいまでブログが続いていたら、きっと使い古しになるだろう。

 この時期だと、Amazonのセールが走っていたり、ニコンダイレクトの福袋が気になったりしますが、まぁ、それはそれとして……


 以下、色々書きますが、お安い単焦点レンズを買っておけば間違いありません。
 次に、テレコンやワイコン、そしてマクロ機材が入ってきそうです。
 ストロボはお金貯めて、ミドルクラス以上を買った方がいいです。
 今の撮影機材に満足しているなら、ストラップを新調したり、ジャケットを換えたりするのはどうでしょうか?


 それでは行きます。

○真面目なレンズ

真面目なレンズで買うとなると、やっぱり安い単焦点レンズとなりますかね……
 Canonの50mmF1.8、SIGMAの19mmF2.8や30mmF2.8辺りはお値頃感がありますね。
 単焦点だし、人をレンズ沼に誘うためのレンズなので、写りはきっといいはず。
 ズームレンズは……どうしても必要なレンズ? と疑うようなものばかりなので、考えなくてもいいかな。

 PentaxのQ用のレンズは数千円からあるので、古い方のQを安く買った人は、レンズを買い足してみては如何でしょうか。

 マイクロフォーサーズの人は、ボディーキャップレンズ BCL-1580を買うのがいいでしょう。15mm、F8固定でマニュアルフォーカスですが、案外綺麗に撮れるものだって言うんで、スナップショット瑞光と言う名前を貰ったぐらい。

 マニュアルレンズでもいいって言うなら、中古レンズを探すのも悪くない。
 バルク品コーナーは、分解清掃とかしなくちゃ使い物にならんものばかりだけど、ショーケースに入っているものは、大体問題なく使えると思う……
 ただ、レンズによってはマウントの問題や、それ以外の問題もあるので、ちゃんと勉強してからにしたほうがいいです。(同じメーカーのカメラを使っている友達に聞くというのが一番安心)

○真面目じゃない方のレンズ

俗に言うトイレンズ。ぶっちゃけ、すぐ飽きる……
 この前の記事の「変なレンズ」コーナーの所は、大体、一万円以内で買えるものばかり。
 そんな感じで……

○テレコン

テレコンとは、装備するだけで焦点距離が伸びるという代物。
 レンズフロントに付けるのとレンズとボディの間(リア)に付けるのとの二種類がある。

 リアに付けるタイプは、様々な制約があるので、レンズキットのカメラを買ったような人にはあまりお勧め出来ない。具体的には開放F4以上の望遠レンズじゃないと使わない方がいい。
 フロントに付けるタイプは、レンズキットのレンズに装着する事を前提に作られたモノが多いので、初心者向きと言えば初心者向き。

 リアのテレコンで1万ナンボってのは、ケンコーのテレプラスぐらいですね。
 当然、純正には適わないので、後日純正品が欲しくなると言う症状が発生するようです。
 フロントタイプは、サードパーティからも沢山出てますが、純正品もお安いので、そちらの方でいいんじゃないでしょうか。

○ワイコン

今度はワイドになる方のアイテムです。
 こちらはフロントに付けるタイプのみです(リアもないこたぁないが)。事情はテレコンと同じなので、説明を省きます。
 魚眼撮影できるフィッシュアイアダプターというのも同族です。

○マクロ機材

マクロ撮影は、カメラを近づけて、より小さいモノを撮影することです。(正確な表現ではないですが)
 フロントに付けるクローズアップレンズと、リアに付ける接写リング、あとリバースアダプターと言うモノがあります。

 クローズアップレンズは、レンズフロントのネジに虫眼鏡を付けるイメージです。
 各社から様々な倍率、そしてレンズ径に合わせて商品を用意しています。
 値段もお安いです。

 接写リングは、基本的にどのレンズにも付きます。(使えるかどうかは別として)
 クローズアップレンズよりは画質がいいはずです。
 ケンコーの接写リングセットが各マウントに合わせて作っています。

 リバースアダプターは、レンズのフロントとリアをひっくり返して撮影できると言う道具です。
 当然マニュアルフォーカスになり、場合によっては最小絞りでしか撮影できなくなります。
 後玉を被写体に近づけるので、ちょっと精神衛生的に厳しいですね。

○フィルター

クローズアップレンズと同じように、レンズのフロントに取り付ける事によって、様々な効果を得られると言うシロモノです。と言うか、クローズアップレンズもフィルターの仲間扱いされますね。
 プロテクターを買っている人も多いはず。

 プロテクターいらねぇよって人が、レンズをごしごし磨いてコーティングを剥がしているのは微笑ましいですね。
 精神論大好きな日本人は、そんなモン付けてるから、レンズを大切にしないんだ! って人もいますが。まぁ、どっちがいいかは人それぞれです。
※最近のハードコートを舐めるんじゃねぇと言うお言葉を頂いた。
 結局何がええのかわからんよーになってきた。

 プロテクター以外に買って損がないものと言えば、C-PLフィルターとNDフィルターぐらい。
 C-PLフィルターは、円偏向フィルターとも言いまして、空が綺麗に写るとか、ガラスや水面の透過率をコントロール出来ます。
 窓の向こう側を撮りたいけど、外の景色が映り込んでしまうとか、逆に水面に反射した景色が綺麗だけどカメラで撮ると、反射がイマイチだとか、そんなときに使えます。

 NDフィルターは、開放絞りでスローシンクロしたいとか、開放絞りで流し撮りしたいとか、かなり明るい環境だけど開放絞りで撮りたいとか……シャッタースピード、絞りの二つが決まっているけど、それ以外の方法で明るさを押さえたい時に使います。
 また、特殊な用途としては太陽黒点や日蝕を撮りたいって場合の専用フィルターもあったりします。
 明るさを四分の一にするのと、八分の一にするのの二種類が一般的です。
 自由に明るさを変えられる可変NDフィルターと言うモノがありますが、予算的にはちょっと……安いのもありますが。

 UVフィルターの類は、そもそもレンズにUVカットのコートが入っているから特にいらないし、色を整える類も、RAWいじればええやん? とか思います。ソフトフィルターもレタッチでいいんじゃないんですか?
 いやまぁ、付けた方が綺麗なのかも知れませんが……
 クロスフィルター(照明や星が十字に光る)はどうだろうなぁ。

○マウントアダプター

多分、あまり利用することはないと思いますが、別のマウントのレンズを取り付けることの出来るアダプターです。
 中古レンズ漁りをやってますって人は持っていて悪くないですが……レンズ沼が一層深くなります。

○三脚と一脚

思ったよりも使いどころが少ないですよ……

 イルミネーション撮りましょうってんで、歩道で三脚立てるとか。
 桜をマクロで撮りましょうってんで、公園の通路に三脚立てるとか。
 電車撮りますってんで、ホームに三脚立てるとか。
 そーいう恥知らずな事やれる人は(ry

 でも、まぁ、漠然と使ったら撮れるだろうなぁとか思うなら、どういうシチエーションで、どんな写真を、どれほどの頻度で撮影するか考えて買った方がよさそうです。
 そう考えると、一脚の方がよっぽど使えそうな気がします。

 先ずは、積載重量を確認。自分のカメラと、将来買いそうなレンズを足した重量より大きいの買わないと、コケてカメラ壊したり、人に迷惑掛けたとき、泣くに泣けないのでそこだけは守りましょう。
 と、1万3千円までで買える三脚見ると、大体3kgまでですね。普通にレンズキット載っける分には足りますので、問題ないと言えば問題ありませんが。
 あと、雲台がちゃんと付いているかどうかは確認して下さいね。雲台別売りって案外多いので。

 ストロボ載っけるだけだとか、トイカメ使ってますって言う人なら、二、三千円ぐらいの三脚で充分ですね。

○ストロボ

一万ナンボで買えるようなクリップオンのストロボは、どうせ、マトモに首が振れないんだから(上下に振れても左右は固定とか)、もう少しお金貯めて買いなさい。

 ただ、室内撮影をよくやりますって向きには、スレーブ機能を持ったストロボを使って、多灯撮影を行うって言う手もあります。
※スレーブ機能=カメラ側のストロボの発光を受けて発光する機能のこと

 サードパーティのストロボで、この機能がある1万3千円以下のストロボは以下の三つ。


・モーリスのヒカル小町シリーズ
・サンパックPF20XD
・ニッシンのDi466


 他には、スレーブユニット(三千円程度)を買って、適当なストロボと接続するって方法もあります。
 まぁ、しかし、純正のワイヤレスライティングを装備したストロボ買った方が、何かと便利だと言えるんですが……

 ストロボではないですが、家の中でブツ撮りをするなら、照明を買うのも悪くないです……が外に持ち出すことは殆ど出来ないからなぁ。

○カメラ用のリモコン(リモートケーブル)とかいろいろ

リモコンはサードパーティの安物で十分だよ……と。(天体撮影とかで、時間をきっちりしたバルブ撮影やる場合は例外)
 三脚買ったらついでに買った方がいい。むしろ買え。

 GPSユニットがギリギリ買えない! 旅行とかするならあった方が面白いけど、精度は悪いので参考までに……

○ファインダーがらみ

バリアングル液晶モニターなら、アングルファインダーはいらんかもなぁ。
 使うにしても、よっぽどのローアングルなので、虫とか花とかを撮るって人向け……だと思う。他の用途があったら教えて下さい(汗

 (ミラーレスなど)ファインダーのないカメラは、電子ビューファインダー(EVF)を買っておいた方がよい。何だかんだで、顔に密着させて撮った方がカメラが安定するから。
 とはいえ、撮影スタイルに影響するので、今で十分って人には無理強いしないけど。(肩の力を抜いて撮れるから、そっちの方が楽だという向きもあるだろうし)

 接眼補助レンズは、近視や遠視の人がファインダーを覗いたとき、ファインダーがはっきり見えない時に使う道具。
 マニュアルレンズを使う人必須! と言いたい所だけど、フォーカスエイド相手にしていれば別にいらないか。
 ニコンの場合は、マイナスが近視用、プラスが遠視用となっている。 一番数字の大きいのを買ってみればいいと思う。
 僕の場合、どれがいいかって、店員に質問してもまともに回答しないので、何個かムダに買う羽目になった。

○ドレスアップ関係……ストラップとかジャケットとか

純正品はダサイのでお好きなのを買えば良いと思います。
 首から提げるのが嫌いな人が、手首に巻いていたりしますが、そう言う人の為にハンドストラップと言うモノがあります。ちゃんとしたモノを買いましょう。

 ジャケットもお洒落なのが多いです。
 見た目を良くした所で、写真の写りが変わるわけじゃないし……って言う人は、せいぜいいい写真を撮って下さいな。
 カメラは持つ所から楽しまなくちゃね。

○カメラ

と言っても、その値段で買えるのは、トイカメラとか、トイデジとかですけどね。

 トイデジは……
 プラスチック製のちっこいトイカメは数千円前後。雑貨屋に行くとよく置いてあるアレですよ。
 通販でも取り扱っている所は多数あるので、興味があれば調べた方がいいですね。

 トイカメは、安いのは安いですが、HOLGA辺りだとオプションが豊富ですので、アレコレ欲しくなって危険です。
 それに加えて、フィルムスキャナ(数千円から)が必要になりますから、色々厳しくなります。(しかも、HOLGAやDiana+は120フォーマットだったりするので、もっと大きいスキャナが必要になる)
 HOLGA135、Lomographyの中で気に入ったの、大人の科学二眼レフ、LastCamera辺りで何か見つければいいんじゃないですかね? こっちも雑貨屋さんによく置いてあるタイプのカメラです。
 ああ、くま35シリーズだと千円で済みます。

 他には……スメナ8M(スメハチ)あたりの中古カメラかな?
 中古カメラ買うのに、わざわざ(フィルムの)Kissとか買う人はいないでしょう。
 どーせ買うなら、面白そうなカメラの方がいいですね。
 スメハチは、雑貨屋さんとかで買うと状態のいいのを厳選しているのか、そこそこの値段だったりしますが、中古カメラ屋を覗くと、五千円でおつりが出るほどのものがあったはず。
 あとは、オリンパス ペンとかリコー オートハーフとかかな?
 ハーフカメラは、通常の倍の枚数撮れるのでお得感があります。

 他には、インスタントカメラと言う手もある。
 ポラロイドの中古カメラは、SX-70みたいな人気機種でなければ、1万円ちょいで買えます。
 或いは、フジフィルムのチェキなんかはお安い上に、マクロレンズやワイコンなんかが売ってたりします。
 まー、女子会とか、リア充的なイベントとか、そういう所でしか役に立ちそうな気がしないですがな……


 ざっとこんな所です。カメラ機材となると、何万円もするものばかりってイメージですが、結構買えるものがあるでしょ?

2012年12月28日金曜日

レンズのサードパーティメーカー一覧っぽいもの

 大体網羅したつもりだけど……
 なお、途中怪しいメーカーも出てきますが、品質等を保証するものではありません。トラブルの発生等も含めて、自己責任でお願いします。

○普通のレンズメーカー

SIGMA
http://www.sigma-photo.co.jp/lens/index.html
 対応マウント:F, EF, A, K, SA

TAMRON
http://www.tamron.co.jp/data/lenses/index.html
 対応マウント:F, EF, A, E, K, m4/3

Tokina
http://www.tokina.co.jp/camera-lenses/index.html
 対応マウント:F, EF, A, m4/3

COSINA
http://www.cosina.co.jp/
 ツァイスやフォクトレンダーのマニュアルレンズ。
 対応マウント:F, EF, m4/3

○マイナーだけど、真面目に撮影できるレンズ

安原製作所
http://www.yasuhara.co.jp/
 安原一式で有名な所ですが、今でもカメラへの情熱はあります。
 「なのは」とか「まどか」とか凄い名前ですが……
 対応マウント:E, m4/3(予定)

・SAMYANG
 韓国のメーカー。コスパがいいって言われて、最近あちこちで売られている。
 14mmF2.8とか、85mmF1.4とか、8mmF3.5とかいう、普通はお高いレンズが手頃な値段で手に入る。
 対応マウント:F, EF, K, 4/3, A, m4/3, X

○(アレな)超望遠レンズ

真面目なメーカーの超望遠レンズとなりますと、信じられない値段になっていて、普通の人間はまず手に入らない。
 ってなわけで、安いレンズが世の中に登場してくるわけですが……当然暗くて、オートフォーカスが利かなかったりします。
 まぁ、お値段がお値段なので、画質とか高いものを求めたら負けです。


Kenkoのミラーレンズ
http://www.kenko-tokina.co.jp/imaging/eq/camera-lens/kenko-cameralens/
 ミラーレンズは軽量、小型なので振り回しやすい。
 噂を聞いて、うっかり買ってしまいそうになるレンズです。
 800mmと600mmのレンズは、Tマウントアダプターと言うものを介して、各種マウントに取り付けられるようになっています。
 対応マウント:F, EF, A, E, K, m4/3, (1, 4/3)


・NASHICA(ナシカ)……前はスリービーチ
 超望遠レンズでググると出てくるメーカー。
 こんなのに何万円も出すなら、素直にケンコーの方買っとけばいいんじゃないの? とか思いますが……何処で見つけてくるのか、よく分からないじーさんが持ってたりしますね。しかもキメ顔で。ア、イインジャナイデスカ。
 コイツもTマウントを介して各種カメラに対応。
 対応マウント:F, 1, EF, A, E, K, m4/3, 4/3

○デジスコがらみ

デジスコと言うのは、フィールドスコープにデジカメ取り付けて、鳥なんか撮影する方法。
 ミラーショックやセンサーザイズの都合上、一眼レフよりもコンデジやミラーレスの方が好んで使われたりする。


コーワ
http://www.kowa-prominar.ne.jp/
 キューピーコーワゴールドのコーワ。
 スポッティングスコープのメーカーだけど、カメラ用の望遠レンズも作ってる。
 対応マウント:F, EF, K, m4/3, A

BORG(トミーテック)
http://www.tomytec.co.jp/borg/
 タカラトミーの完全子会社。鉄道模型だの鉄道むすめのフィギュアだの出している所から見ると、鉄写向けなのかな? とか思えるけど、別にそーでもない。
 m4/3押しっぽいけど……分からん。
 対応マウント:F, EF, K, m4/3, A


NikonVision
http://www.nikonvision.co.jp/
 ニコンもやってますよー。
対応マウント:F, 1

○変なレンズも真面目なレンズも置いてある所

ギズモショップ
http://www.gizmoshop.jp/products/list.php?category_id=11
 E, m4/3用の真面目なレンズと、Kマウント用のピンホール、m4/3用のトイレンズ。
 Vivitar V3800N付属のレンズはKマウントだが、PhenixがOEM生産したモノだからなぁ……

○変なレンズ

レンズベビーピンホール
http://www.kenko-tokina.co.jp/imaging/eq/camera-lens/lensbaby/lineup/
http://www.kenko-tokina.co.jp/imaging/eq/camera-lens/conversion/4961607494011.html
 レンズベビーは、鏡筒を自由に曲げられるレンズ。アタッチメント多数。
 対応マウント:F, EF, A, E, K, 4/3, m4/3

Loreo
http://www.mediajoy.com/mjc/omoshiro_acc/LOREO/top.html
 Loreo LENS IN A CAPと言う撮影できるレンズキャップとか、ステレオ撮影の出来るレンズとか出してる。
 対応マウント:F, EF, A, K

HOLGAレンズ
http://www.doctor-and.com/DSLRindex.html
 HOLGAのレンズをデジイチに取り付けられてしまうと言うレンズ。勿論、HOLGA用のアタッチメントも付けられる。
 対応マウント:F, EF, A, E, K, 4/3, m4/3

Diana F+ Lens Adaptor
http://japan.shop.lomography.com/cameras/diana-f-cameras/diana-lens
 DianaF+のレンズがデジイチに取り付けられるマウントアダプター。
 対応マウント:F, EF


TOKYO TRADING direct
http://www.t-tra-direct.com/fs/ttzakka/c/pinhole
 Risingって言うピンホールレンズが置いてある。
 対応マウント:F, EF, A, E, K, m4/3

○怪しい海外メーカー

・Phenix
 中国のレンズメーカー。
 怪しいものがざくざく出てくるので、面白いかも知れないが、よく分からない。
 一部引っかかってくるミラーレンズが、思いっきりケンコーのっぽいから、ひょっとしたらOEM生産とかしてるかもしれない。
 大体がKマウント。でも、外れなくなるなんて話もあるから……保証は出来ない。

・Vivitar
 謎って訳でもないけどさ。
 ギズモショップに一部商品が出ているが、アメリカのアマゾンだと、ニコンとかキヤノン用のレンズも引っかかってくる。
 こっちも、何が起こるか分かんないので、自信がないなら手を出さない方がよいとおもう。

○他に

シュナイダークロイツナッハとかホースマンなんかで、面白いのがありますが、収拾が付かなくなるのでヤメ。

※マウント

F  :ニコンFマウント
1 :ニコン1マウント
EF :キヤノンEOSマウント
A :ソニーAマウント
E  :ソニーNEXマウント
K  :ペンタックスKマウント
4/3 :フォーサーズ
m4/3:マイクロフォーサーズ
SA :シグマSAマウント

ストロボの話

 お金のない素人は、ライティングを色々工夫しようにも、先立つものがない。大体、そこまで覚悟を決めて写真を撮っているわけでもないので、限られた道具をなるべく有効に利用するしかない。

 何にしても、"なるべく"いい写真を撮りたいものだ。
 と、言う訳で、今回は、あんまり格好の付く話ではないけど、お金を浮かしてライティングを少しだけマシにする方法。


 その前にストロボ選びの簡単な話。

 ストロボ選びで要点になるのは二つ。
 一つは、ガイドナンバー。
 単純に、どれぐらい明るい光を出してくれるかという事だ。当然明るい方がいいに決まっているので、大きいほどよいのだけど……

 試しに価格COMで検索を掛けてみよう。
 ガイドナンバーを50以上にする。
 すると、SIGMAの「ELECTRONIC FLASH EF-610 DG ST」がトップに出てくるけれど、NikonのSB-910が全く出てこない。
 さて、これはどういうことだろう?
 これは、照射角の問題だ。
 SB-910のページを見てみると、
ガイドナンバー(照射角35mm、FXフォーマット、スタンダード配光時、20℃)
34(ISO 100・m)/48(ISO 200・m)
とか出てくる。
 一方、EF-610のページを見ると、

ZOOM24mm28mm35mm50mm70mm85mm105mm
G.N.34353646525661
とある。
 要は、あんまり真面目に比較していないのだ。
 と、言う事で、一々メーカーサイトまで行って調べた方がいいかも。


 ストロボ選びのもう一つのポイントは、首振り。
 ガイドナンバーよりもある意味重要なのは、どれぐらい首が振れるかだ。
 つまり、発光の向きをどの方向へ持って行けるかと言う事だ。
 例えばSB-400なんてストロボは、上下にしか向けられないので、カメラを縦向きにすると、天井にバウンスさせる事が出来ない。

 他にはワイヤレスライティングが出来るとか、スレーブ発光出来るとか、いろいろ出てくるのですが、それは、またいずれ……


 さて、ストロボについて検索すると、結構な確率でガイドナンバーの計算方法にぶち当たります。
 でも、今日日のストロボは自分で勝手に発光量を計算してくれるので、別にあれこれ考える必要はない。
 それにデジカメは、トライアル・アンド・エラーが幾らでも出来るし、プロみたいに15分で必要な絵を全部用意しろとか言われないので、その場その場で、補正をすればよいのだし……第一、バウンスさせるつもりなんだから、まともに計算なんて出来やしないよ。

 プロの人は、それに対応するために、自腹でスタジオ借りて勉強したりするらしいので、いろんな余裕がある人は、そういうのの真似事をするのは悪くないだろう。


 何にしても、僕にはモデルになってくれる人物もいないし、モデルを雇って撮影したい! ってほど余裕もない人なので、家の中で写真を撮るばかりです。
 ライティングと行っても、今回使用するのは、中級モデルのクリップオンストロボです。

 先ず、何にもなしにISO感度だけ上げて撮ってみるとこうなる。顔に影が出来てダサイですねぇ。


 内蔵ストロボをそのまま撮影。所々テカってますね。迂路の影がキツいですねぇ。影も少し、顔に掛かってるし……


 クリップオンのストロボを直に当てるとこうなる。一応、市販の箱形のデフューザー入っているので、内蔵ストロボよりか、てかりとかが少なくて、まぁ、マシかなぁ。


 天井にバウンスさせます。いろいろ柔らかくなってきてますね。当然、光量が減るのでストロボが弱いと厳しくなってきます……ドールだと撮影距離が短くて済みますが、人間だと"もっと光を!"となります。


 背後にバウンスさせます。顔に入る影が自然ですね。背後の影も弱くて嬉しいですねぇ。勿論、天井よりも光量に制限が出てきますから……もっといいストロボが欲しくなるわけです。
 とは言え、コレが出来るのは、自室が狭いから。撮影位置から背後の壁まで1メートルばかり。
 大きな部屋で撮影するときには使えないテクニックになりますね。


 そんなわけで、こんなデフューザーを作りました。
 台形に切ったプラ板に布をくっつけて、マジックテープを縫い付けただけです。
 制作費は三百円程度ですかね。余ってた材料で作りました。

 特にコレと言って、複雑な加工をしていないので、簡単に作れるはずです。
(内蔵ストロボ用のデフューザーは、いつか、その気になったときにでも作ります……)


 そうして、撮影したのがコレ。天井バウンスぐらいは効果があるんじゃないんでしょうか?
 市販のバウンスもそんなに高い物でもないので、予算に余裕があれば、片っ端から試してみるって手もありますけどね。


※なお、この改造を参考にして、カメラ並びに周辺機器に不具合が生じたとしても、何人も責任を問われないものとします。

2012年12月27日木曜日

HDR合成再び

 昨日、あんなにPhotomatixProの事書いたというのに、まだやりきれていない感じが……
 もっと、HDR的な画像を作りたい! ってなったのと、手持ちで撮影したときの補正ってどんなもんよ? って事を報告していないので、その辺を今回書く事にします。

 先ずは、元の写真。
 今回は1段階ずつ変えて七枚のブラケット撮影をしました。













 目立ちませんが、手持ちなので、ズレがあるはずです。こんな時に「イメージのズレを調整」をします。「ゴーストを減らす」も自動で強を入れました。


 そうして出来たのがコレ。あんま面白くないですねぇ。
 いや、むしろ、人間の見た目に近づけるための技術ですからね! コレ!

 とはいえ、面白いのは面白いので必要なので、色々いじくり回してやります。

 そうして出来たのがコレ。
 ああ、コレだよ、コレ! って感じのHDR画像ですな。
 スムージングを低くすると、エッジの周囲が光り始めます。あと、ハイライトの彩度を上げましたねぇ。
 まぁ、ざっとこんなもんです。拡大すると、意外とディテールが崩れていません。
 なかなかいいソフトじゃないですか。
 とは言え、8,500円もするんですよぉ。専らHDRで表現してます! って言う人じゃないとなかなか出来ないよなぁとか。

2012年12月26日水曜日

HDRI、トーンマッピング、HDR風

 JPEGは24bitで表現されているけれど、3DCGのテクスチャに使用するなどの理由で、より大きなダイナミックレンジを持つ画像が求められたとき、露出の違う複数の写真から、32bitやそれ以上のフォーマットのファイルを作り出したのがHDRI。

 HDR合成とか、単にHDRとか言うのは、複数の写真を合成して、コントラスト比をどうにかこうにか一枚の写真に収めた写真を合成する方法。PhotoshopとかPhotomatixProとか使って作る(ソフトは山のようにあるので、)。
 また、自動的にそれをやってくれる機能付きのカメラもある。(iPhoneに付いてくるHDRも自動でやっているクチだ)
 何にしても、JPEGにしている時点で、ダイナミックレンジそのものは広がっている訳じゃないから、HDRと言う言葉を使う事すら間違っていると言う意見もある。
 その場合は、トーンマッピングと言うのが恐らく正解だけど、普通にHDRで通るので、目くじらを立てるような事ではないだろう。

 HDR合成した写真は、往々にして(複数の写真の辻褄を合わせるため)エッジがぼけたり、全体がぬめっとした光芒を得たりする事がある。これを真似て一枚の写真から作るのが「HDR風写真」で、カメラのアートフィルターとかnanHDRなんてソフト。
 PhotomatixProはウォーターマークが入る試用版が無料。nanHDRはフリーソフトで、どちらもお手軽にHDR及びHDR風写真が作れる。



 と言う、ご託を並べた所で、早速HDRを試してみよう。

 先ずは、一段階ずつ露出を変えた四枚の写真を用意する(最低でも二枚)。
 今回は夜景という事もあって、三脚使って撮影したけど、ソフト側で補正するので、日中であれば、高速連写を使ってブンケット撮影しても大丈夫だ。







 あとは、ソフトに放り込むだけだけど、今回は、PhotomatixProを使う。
 (Elementじゃない)Photoshopは持っていないし、他のフリーで使える(試用版のある)ソフトを幾つか試したけど、日本語化されていて、軽くて、結果もまずますだったので、これを使う事にした。

 PhotomatixProは、有料のソフトだれど、「評価版を継続使用」する事も出来る。
 有料版との違いは、ウォーターマークが入るかは入らないかなので、お金のない現状では、無料版を使わせて貰います。

 PhotomatixProを立ち上げると、ライセンスを聞いてくるので「評価版を継続使用」を選択。
 「ブンケットした写真のロード」から、「ソースイメージを選択」を出して、そこに写真を放り込む(複数選択してドラッグアンドドロップも可能)。
 「OK」を押すと、「処理オプション」が出てくる。
 「イメージのズレを調整」は三脚撮影ならチェックを外して、手持ちで連写したなら、チェックを入れて、「縦横と回転のズレを修正」を選択しておこう。
 「ゴーストを減らす」は、今回は三脚撮影なので、入れないでおいた。先に書いたように、手持ち撮影なら入れておくこと。「自動」でも問題なかったけど、「手動」の方が推奨されるようだ。(単に僕の試行回数が少ないだけです)
 「ノイズを減らす」は、写真を現像する時点でやっていると思うので、チェックを外す。
 「色収差を減らす」も"如何にもHDR風"と言うのを作りたいと思わなければ、チェックを入れておく。
 そうしてこんな画面になる。基本的には画面下に出ているプリセットから気に入ったのを選べばいいけれど、調整が色々利くので、うっかりすると、よい時間泥棒になってしまう。 


 と言う事で、作ってみたのを出してみます。「トーンマッピング」(自動)。


 メーカーの説明によると、「より自然」になると言う「露出合成(自動)」。

 何がいいかは、好みとか作意とかに左右されるので何も言わないけれど、楽しく遊べることだけは確かです。


 因みに、一枚目の写真をLightroomを使って、シャドーを持ち上げた写真がこちら。
 これでもいいんじゃないかと言われると……

 否、本当のHDRなんてどうでもいい、HDR風の写真が欲しいんだ!
 って人には、nanHDR(なんちゃってHDR)なんてフリーソフトがある。

 一つ前の写真を、このソフトに掛けるとこんな感じになります。
 曲線のなめらかな物体(新幹線とか車とか)を撮るともっとぬめっとした感じになるのかな?


 さて、ここからは、更にどーでもいい戯言になるのですが、「HDRは邪道」なんて言葉があるらしく、何というか、「それはギャグで言っているのか?」みたいな。
 身を挺したギャグである事を願いたいのですが、「写真 邪道 」とGoogleの検索キーワードに入れると、「レタッチ」や「トリミング」なんて出てきます。
 他には「顔認識は邪道」だとか、「AF-Cは邪道」だとか言う言葉も見えますね。
 その昔は「AF」そのものが邪道だったらしいですから、世の中随分と寛容になりましたね。

 表現に邪道だ王道だと「路線」を決める時点で、それは表現として終了してしまっている感じですね。
 それとも「俺の表現こそが"正しい"んだ」とか言いたいのでしょうか? 「自分が長年やってきた事」だけを根拠に、自分以外の手段に不寛容になるのを俗に「老害」と言いまして、その人が何歳だろうと、自身が「権力的」であると信じている時点で、表現の極北に当たりますな。
 人間成長するには、自分を疑うことが必要です。

 写真の無加工主義は、多分、写真が如何にも"簡単に"撮れてしまう事に対する負い目なんだろうなと思います。
 絵画は時間を掛けて描くのに対し、写真はシャッターを押すだけですから。
 まぁ、その一瞬で決まってしまうと言う特性が、哲学的に大変重要な要素になるとは思いますが、彼等はそこまで考えますまい。

 しかし、考えてみて下さいよ、デジカメで撮るにしてもフィルムで撮るにしても、それは人為的に調整された装置を用いて、要は"綺麗に撮るように加工(調整)された"装置やフィルムを用いている時点で、"無加工"ではないんですよね。
 言ってみれば、いじめを教唆した人間はいじめを実行した人間じゃないから無罪みたいな感覚ですよ。
 自分で銀板を磨いたり、硝子に塗布する薬剤を調整したりしない限り、「無加工」ではないんですよね。
 もっと言えば、全くの手探りであったことが、唯一"創造的"であるとするなら、"真の写真"と言えるのはニエプス(とダケール)ぐらいしか撮影出来なかったとも言えます。

 表現には多分二つあって、「結果の表現」と「手段の表現」があります。
 勿論、どちらが王道と言うわけではありません、でも、「この写真はJPEG撮って出しなんだぜ、俺って凄いだろう」と言われても「そんなもん知らねぇよ」としか言えませんよね。
 制限することによって産まれる表現と言うのには、必ず理由や思想が存在します。
 例えば、「100mm、SS=1/125、F8」でしか撮らないとか「フォーカスは90cm」で固定するとかそんな写真です。
 もっと言えば、(無作為の作意も含めて)「何を考えているか」がなければ、どれほど技術を掛けようと、それは表現ではないと言えます。
 それを語ることが重要だとは言いませんが、単に「きれいな写真」を追い求めている分には、何も得られないに違いありません。

 とか、なかなか堂々とした事をエラソーに語っているのですが、大抵の人間は凡人です。
 ビロードの指と鷹の目を持っていない人間には、楽しく撮れることが重要ですね。

 あ、さて、最後にトリミングについて、救いの言葉を残しておきましょう。
 ちょっと前に某カメラ屋さんに行ったんですよ。
 そこで、どうしようもなく構図の撮れていない写真があったんですね。犬の写真です。微妙に被写体ぶれを起こしているんですね。そんでもって、犬は概ね左下に配置されていて、左の方を向いているんです。真上とも斜めとも言いがたい微妙な角度で、"褒めどころが一つもない"みたいな写真なんですね。(お前の写真も何撮ってるか分からんと言われそうですけど)
 それがまぁ、常連さんの作例として展示されてるんです。ラベルには、大層なカメラと大層なレンズが書いてありましてね。
 私からしたら、写真なんか載せずに、そのラベルを大きく引き延ばせばいいんじゃないかとか……
 被写体ぶれは兎も角、僕がその写真をどうしても一般に公開するつもりなら、トリミングするでしょうね。
 「コイツ写真下手やなぁ」と言われるのと「コイツ、センス微塵もねぇなぁ」と言われるのだったら、前者を選びますね。
 「下手」はいつか上手くなるだろうと思われますが、「センスがない」と言うのは、殆ど絶望的とも言えますからね。「センスを磨く」と言う表現はあっても「センスを得る」と言う表現はありません。一方、「技術」は「得る」事も「磨く」事も出来るのですから。

2012年12月25日火曜日

被写界深度とかボケの事とか

被写界深度に関する四つのルールを主に説明。
 身にならない話は、光路を作図してその理由を説明しました。

 被写界深度って、色々と勘違いされている言葉だ。
 被写界深度=ぼけ具合だと思っている人が多い。でも、あんまり正確な表現ではない。
 ただ、そう思っている人が多いから正しく伝わるだけで、「須く」と言った人と、聞いた人が両方とも「全て」と思っていれば、会話にズレが生じることがないのと同じだ。

 特に多いのは、「センサーサイズが大きいと被写界深度が浅くなる」と言う表現だ。
 「ぼけやすくなる」をちょっと格好良く言ったつもりだろうけれど、別に被写界深度は浅くも深くもならない。

 写真にはこの手の誤謬が色々ある。
 今回は、他に二つ紹介しよう。


1.ISO感度は低く設定した方が美しい

 何をもって美しいと言うかは、人によって違うけれど、センサーは標準とされる感度で使うのが一番性能が高くなる。

 ISO200を標準として作られたセンサーをISO1600で使うのは、フィルムカメラで言えば、ISO200のフィルムで写真を撮って、それを三段階増感するのと同じである。
 同様にして、ISO200のセンサーをISO100で使うのは、単純に一段階減感しているのと同じだ。
 決して、ISO100のフィルムに入れ替えているのではない。

 ただ、ニコンなどが言う表現を流用すれば「硬調になる」と言うので、そう言う写真の方が自分の好みだというならば、それも全く悪い表現ではない。



2.望遠レンズを用いると被写界深度は浅くなるが、被写体から離れると被写界深度は深くなる。結果として、同じ被写体を同じ大きさで撮影する限り、どのような焦点距離のレンズを使ってもボケ方はほとんど変わらない。

 Wikipediaを見て面白い記述だと思ったので、ネタにする。

 左が10mm、右が300mm、カメラはD300(APS-C)で撮影した。
 絞りはどちらもF5.6である。
 被写体の大きさが同じになるように撮影したので、当然、300mmの方は、10mmに比べて離れて撮影している。
 ぼけ方が同じだろうか?

 写真趣味というか、カメラ趣味の人は、往々にして自分で比較の出来ない事を批判の対象にすることがある。
 写真そのものを見ずに、カメラのスペックだけで語る人が多い。
 そう言う人の意見に耳を傾けるのは時間の無駄だ。

2012年12月24日月曜日

カシオ計算機、黒トナーと赤トナーのページプリンタを発売


カシオ計算機、黒トナーと赤トナーのページプリンタを発売(スラッシュドット)


面接官「赤鉛筆を使って青色を表現してください」

 このところ、こんなネタが多いので話にしてみます。


 この写真、実は赤とグレーしか使っていません。(JPEGで圧縮された都合上、Picasaにアップロードすると、青成分が入ってきてしまいますが……)
 瞳、着物の柄、紫陽花の葉に青乃至緑色の成分が見えて来ますね。

 どうやって作ったのか?
1.Photoshopで開きます。Elementで結構です。
2.レイヤーをコピーして、コピーしたレイヤーを非表示、コピー元のレイヤーを選択します。
3.「画質調整」→「ライティング」→「レベル補正」より「チャンネル」タブの「レッド」を選択します。
4.「出力レベル」の「255」を「0」にします。
5.同様に「チャンネル」を「ブルー」にして、「出力レベル」の「255」を「0」にします。
6.「画質調整」→「カラー」→「色相/彩度」を開いて、「彩度」を「-100」にします。

(そうして出来たのが緑チャンネル)


7.最初の方でコピーしたレイヤーを表示にして、選択します。
8.先と同様に、「レベル補正」より、「グリーン」と「ブルー」の「出力レベル」を「0」にします。

(こちらが赤チャンネル)

9.レイヤー(一番上)の不透明度を適当に下げると、青色が浮かび上がってきます。
10.あとはお好みの明るさ、コントラストに調整して完成。

 大体こんな感じで、作れます。
 この技術のことをLandColorと言いまして、Landはポラロイドのエドウィン・ハーバード・ランド博士のことだったりします。

2012年12月23日日曜日

焦点距離の話、カメラ選びの話


 焦点距離と画角の話がメイン。
 この焦点距離だと、こんな写り方をすると言う話。

 あとは、カメラ購入に関するいろいろ……
 要点は、見た目と重さで選べと言う事。

 性能とかで選べば上がないし、それで手に入れたカメラが如何にもカメコ臭くて嫌だとか、重たくって持ち出すのが億劫だとなったら、撮影機会が少なくなる。
 (異論はあるにしても)写真は沢山撮った方が、上達しやすいので、沢山撮るには沢山持ち出さなきゃいけない。
 ぶっちゃけ、カメラの性能なんて、写真から区別の付く人なんて滅多にいないんだし、そこまでのレベルに達するなら、多分、どんなカメラでも上手い写真が撮れる。
 それなら、楽しんで写真が撮れた方がいいからね。


 さて、カメラ選びに加えて悩むのがレンズ選び。
 個人的な意見だけど、ダブルレンズキット買うぐらいなら、高倍率ズーム買った方が便利なんじゃないかと思う。
 ニコンのAPS-Cで選ぶとすれば、タムロン18-200とか買えば、幾らか安く上がるし、安く上がった分、AF-S DX NIKKOR 35mm f/1.8G(或いは、AF-S NIKKOR 50mm f/1.8G)辺りの単焦点レンズ買っとけばいいんじゃないかなとか。

 「ズームレンズは写真が上達しない」と言う人がいるけど、初心者のウチは、いろんな画角で撮ってみて、自分の好きな画角を見つけた方がいいんじゃないかなと。
 「男は単焦点一本で勝負」とか言っていると、画角による効果を考えて写真が撮れなくなるじゃないですかね。

 ズームレンズは上達しないと言う意見は、つまり、足を使って(被写体に近づいたり離れたりしながら)写真を撮らなくなるからなんだけれど、ズームレンズ使っても、被写体に寄ったり離れたり出来れば、単焦点よりもずっと、色々な事が学べると思う。

 とは言え、高倍率ズームだけで写真撮ってるなら、コンデジでも同じなんだし……って事で、安価な単焦点レンズ……通称撒き餌レンズを一本追加しましょうと言うオチです。



 と、簡単に言ってしまうけれど、ボディのみとレンズキットの価格差はそんなにあるものじゃない。
 今、価格コム(2012/12/23現在)で値段を見てみると、D3200の場合なんか、18-55のレンズキットの方がボディのみより安いぐらいだからなぁ。
 更に、55-300が付くダブルズームキットが相手になると、更に悩むかも知れない。「200mmまででいいのか、300mm必要なのか……」と。(なので、先の動画には、18mmから300mmまでの各画角を紹介したのだけれど)

 とは言え、APS-Cでの300mmって、思うほど使う画角ではない。
 オタク向けのイメージでは、鉄写、アイドルやらキャラクターショーの舞台なんか、一般家庭では子供の運動会や学芸会向けのレンジだ。

 ポートレート、スナップの場合――翻訳するとコスプレ撮影、乗り鉄の場合、18-105辺りでも不自由は少ないはず。むしろ、単焦点が一本合った方が嬉しい場面も多いだろう。
 とかいろいろ考えてみる。


 ぶっちゃけ、APS-Cの上位グレードはフルサイズに統合されるだろうし、下位クラスはミラーレスに編入することになるだろうからなぁと言う意識もある。
 デザイン的な選択肢や、カラーバリエーションが多いし、余程の拘りがなければ、ミラーレス買っておけば損はないと思う。

 じゃぁ、どんなレンズか? となるのだけど、実のところ選択肢はそんなに多くないので、無難にレンズキットやダブルズームキットを買っておけば、問題ないはずだ。

 例えば、マイクロフォーサーズの場合、この類の高倍率ズームは、「LUMIX G VARIO HD 14-140mm/F4.0-5.8 ASPH./MEGA O.I.S. H-VS014140」か、「M.ZUIKO DIGITAL ED 14-150mm F4.0-5.6」のどちらかしかないけれど、どちらも六万円前後のレンズになるので、いきなりとなると厳しい選択だろうなぁと思う。(APS-Cに換算すると18-200前後のレンズ)
(PanasonicのGHシリーズには、14-140が付くので、このカメラ狙いならその選択肢は悪くない)

 そういう訳で、望遠が欲しい人は、ダブルズームキットを買えばいいのかなぁと。

 単焦点の方は、一万ちょっとで買える「SIGMA 19mm F2.8 EX DN」とか「SIGMA 30mm F2.8 EX DN」と言う選択肢を選べばいいし、カメラによっては、標準ズームに加えて、広角寄りの単焦点レンズが付いてくるので、これも悪い選択肢じゃないと思う。
 Olympusなら「M.ZUIKO DIGITAL 17mm F2.8」、Panasonicなら「LUMIX G 14mm/F2.5 ASPH. H-H014」が付いてくる。

 SonyのNEXにしても、18-200は出ていても六万円するし、安い単焦点と言っても、これまたシグマの19mmか30mmしかない。
 それでもまだ恵まれている方で、CanonのEF-Mは自社レンズが2本(単焦点と標準ズーム)、Nikon 1は実質5本(標準ズーム、望遠ズーム、高倍率ズーム、単焦点二本)、フジのXに限っては単焦点が五本という有様だ。(尤も、前二つに比べて路線がしっかりしているので、このラインナップも悪くない)

 何が言いたいかというと、まだメーカーによっては手探りの状態でもあるので、十年後は残っていないマウントもあるんじゃないかなぁと言う話だ。(その頃にもAPS-Cが残っているのかという保証もないけど)
 その点で言えば、全体的に価格を抑えたPentaxのQシリーズは悪くないかも知れない。
 去年のモデルが店によってはまだ在庫していて、2.5万円前後(価格コムでは2.3万)で買えたりするので、それで二、三年勉強してみるのは悪い選択肢じゃない。

 とか、長々書いたけれど、まぁ、個人的な意見なので……

2012年12月22日土曜日

マクロレンズを使わないマクロ撮影講座

 クローズアップレンズとエクステンションチューブを紹介。

  ドールクラスタにいると、マクロレンズ欲しいって言葉をしばしば耳にするけど、1/3ドール相手にしている分には、そんなに近寄って撮る事もないんだよね。って話からスタート。

 最近のレンズは、レンズキットに付いてくるようなレンズでも充分に寄れるんですよね。
 じゃぁ、どこまで寄れるんだって言う話が今回の内容。

 虫とか花とかを専ら撮影するって訳でもなければ、どうしても手に入れたいってレンズじゃないからね。 マクロレンズってそこそこの値段するし、他に欲しい画角のレンズがあれば、そっちを買った方がいい。

 でも、たまには欲しいねって言う人には、クローズアップレンズかエクステンションチューブがお勧め。
 どちらもカメラ用品にしては、安価に手に入るし、簡単にマクロ撮影が出来るので、買って損はない。(少なくともトイレンズより活躍する)

PCレンズの使い方

差し当たりは、ニコ動に出したネタでお茶を濁します。



 PCレンズはアオリレンズとか、チルトシフトレンズだとか、言われている謎のレンズです。

 一般的には、ミニチュアっぽい写真が撮れるレンズだと思われていますが、主な利用法は、ピント面を傾斜させて、ピントの合う面をコントロールする事が出来るレンズです。
 物撮りなんかの時に結構役に立つんですよ。

 今回は、Nikon PC-E Micro NIKKOR 85mm F2.8Dを取り上げました。

 因みに、ミニチュアっぽい写真の事を逆チルト撮影といいます。
 習作を上げるとこうなります。

2012年12月21日金曜日

ブログ始めました

 Twitterやらニコ動やらでやってきたネタが増えてきたので、ちょこちょこ小出しにしていきます。

 あと、ぼやきなんかも含めながら……