撮影メインの旅行ではないとか、あちこちこまめに移動するとか、出張中に隙あらば撮影したいとか、その程度の旅行となると、レンズ一本付けて、カメラケースに包んで持っていこうって発想になる。
そうなると、当然、そのレンズを何にしようかという話になるわけだ。
コンデジ持っていって、ガチの所だけ一眼レフ使おうって発想なら、単焦点でよいのだけど、ここでは、ズームレンズ一本だけ持っていく場合、どうしようかと言うお話をしてみる。
※ニコンの一眼レフだけについて考察する。価格はアマゾンを参考にした。
○APS-C
先ずは、APS-Cのお話し。
そもそも、レンズキットに付いてくるレンズって、案外優秀だったりする。そりゃぁ、買ってすぐに使ってイマイチの写りだったら、カメラが悪いって思われちゃうからねぇ。
「AF-S DX NIKKOR 18-55mm f/3.5-5.6G VR II」って、重さが195gしかないし、手ブレ補正は4段、最大撮影倍率は1/2.8だったりして、かなり寄れる。つまり、マクロ撮影もそこそこ頑張れるレンズなのだ。
他の標準ズームや高倍率ズームを見ても、1/2.8に匹敵するクラスはあまり多くない。
勿論、補助的にクローズアップしたかったら、フィルター一つ余分に持っていけば良いことなのだけど。
兎も角、進む道は、高倍率ズームか、明るいレンズかのどちらかである。
APS-C高倍率ズーム
高倍率ズームの方は、例えば、ダブルズームキットを持っている人なら、望遠ズームの方を使う頻度で判断して欲しい。
確かに、高倍率ズームは便利だし、いざという時、例えば、車に乗っていたら、遠くにカモシカが見えたとか、そんな時には、シャッターチャンスを逃さないで済むかも知れない。
しかし、そんなチャンスがどれぐらい転がっているのかと言う事や、そもそも、自分がそう言う被写体を撮れなくて悔しい思いをするタイプかどうかと言う所から考えてみた方が良いかもしれない。
勿論、僕なんて高倍率ズーム使ってポートレートやってた事もあるから、それがマズイ判断だと言えないけれど。
値段から言うと、タムロン「AF18-200mm F/3.5-6.3 XR Di II LD Aspherical [IF] MACRO A14N II」(手ブレ補正なし)が、なんと1万5千円で買えてしまったりする。
欲張って、「16-300mm F/3.5-6.3 Di ll VC PZD MACRO B016」(手ブレ補正あり、最大撮影倍率1/2.9)としても、6万5千円だったりする。
画質に関しては、何も言うなとしか言えない。
レビューなんか見ていると、タムロンをやたらと馬鹿にする向きがあるが、安いレンズ買って文句を言うとか、馬鹿なのかなとしか思えないわけで、気に入らないなら純正を買えよと言うわけです。
純正の「AF-S DX NIKKOR 18-200mm f/3.5-5.6G ED VR II」は、8万7千円ぐらいしますが、タムロンより写りは良いでしょう。
ここで面白いのは、「AF-S DX NIKKOR 18-300mm f/3.5-6.3G ED VR」と「AF-S DX NIKKOR 18-300mm f/3.5-5.6G ED VR」なんですが、テレ端での開放絞りが、F5.6かF6.3かの2/3絞りの違いなのですが、前者は7万1千円、後者は9万6千円と2万5千円も違うし、それ以上に、重さは前者が550gで、後者は830gとなっている。
ニコンとタムロンの18-200mmで、ニコンの方はテレ端の開放がF5.6だからその分を含めてお高いという部分もあるのだ。
なお、SIGMAも「18-200mm F3.5-6.3 DC MACRO OS HSM」「18-250mm F3.5-6.3 DC MACRO OS HSM」「18-300mm F3.5-6.3 DC MACRO OS HSM」と出しているけれど、価格は純正とタムロンの間ぐらいだ。
200mmもいらないと言う人は、「AF-S DX NIKKOR 18-105mm f/3.5-5.6G ED VR」「AF-S DX NIKKOR 18-140mm f/3.5-5.6G ED VR」なんてレンズもある。純正だけど、価格は4-5万円といったところ。重さも500g切っている。ただ、最大撮影倍率が1/5とかだったりするので、被写体によっては割り切らなくちゃいけない。
APS-C大口径ズーム
むしろ、明るいレンズの方が欲しいと言う向きもあるだろう。
単焦点ほどじゃないにしても、描写性能が高い方が良いと……
先にも書いたが、レンズキットに付いて来る「AF-S DX NIKKOR 18-55mm f/3.5-5.6G VR II」は、案外優秀である。
それで、このクラスで上のレンズとなると、「AF-S DX Zoom-Nikkor 17-55mm f/2.8G IF-ED」となる。しかし、このレンズ、15万円もするクセに手ブレ補正も付いていないと来ている。暗い環境では、レンズキットの方が使えるのだ。
ここまで出したら、画質はもう、評価されてもいいのだけど、案外そんなお話しも出てこない。
ここでは、なるべくお安いお話しをしようって訳で、次のレンズ。
タムロン「SP AF17-50mm F2.8 XR DiII A16NII」も手ブレ補正は付いていないが、2万5千円とお手頃である。勿論、お安くボケが欲しいと言う人向けのレンズと言うわけだから、思ったほど解像感がなくても文句を言ってはいけない。いやまぁ、この手のレンズ使ったことあるけど、割と使えますよ。
でも手ブレ補正欲しいが欲しいってなると、SIGMA「17-50mm F2.8 EX DC OS HSM」か「17-70mm F2.8-4 DC MACRO OS HSM」になる。(価格は、3万1千円と3万6千円)
タムロンには手ブレ補正付きの「SP AF17-50mm F2.8 XR DiII VC B005NII」がありましたが、何故かこちらの方がディスコンされています。尤も、こちらは、先のSIGMAのよりも高いので、こちらを選ぶ事はないでしょう。
また、ネット上での評価も、SIGMAの17-50mmの方が高そうですね。
なお、最大撮影倍率は、17-50mmは1/5で、17-70mmの方が1/2.8なので、ポートレートやスナップなら前者、少しだけ望遠側とマクロが欲しいなら後者と言う選択肢となるでしょう。
最後にSIGMAの「18-35mm F1.8 DC HSM」を紹介しましょう。
タムロンの17-50mmのレビュー見てたら、「もう少し明るいのが欲しかった」とか書いてあったけど、「開放がF2.8より明るいズームレンズなんて、コレぐらいしかねぇよ!」です。
お値段は7万6千円ほどしますが、1と1/3段も明るいのだから、ポートレートにぴったりかも。
Artラインと言う、画質を求めたシリーズで、作例見ていてもアラって言えるようなのも見えないので、純正の17-55mmよりも楽しいのかなと思います。手ブレ補正は付いていませんけど……
純正の17-55mmはそろそろ古い感じになってきたので、新しいのが出てきたらなぁと思うのですが、どうなんでしょうか。
最近は、APS-Cよりもフルサイズに力を入れているので、出てくるのか怪しいです。
将来的にフルサイズのカメラを持ちたいと思っているのなら、15万円の投資は少しばかり勿体ないので、その辺も計画立てて考えて方がいいでしょう。
APS-Cまとめ
APS-Cでまとめるなら、画質考えずにお手軽お手頃高倍率ズームなら、タムロンの16-300mm、そうじゃないけど300mm欲しいなら純正18-300mm。
ポートレートやりたいならSIGMAの17-50mmか17-70mmか、少し背伸びして18-35mmと言う所でしょう。
○フルサイズ
次にフルサイズのお話しなのですが、「AF-S NIKKOR 24-85mm f/3.5-4.5G ED VR」も一通りのスペックを兼ね備えているので、残るのは物欲との戦いとなりそうです。
いやまぁ、レンズキットのレンズ使っているのが恥ずかしいとかそう言う人も出てくるでしょうし。
フルサイズ高倍率ズーム
前にも書いたけど、「画質求めてフルサイズに来たのに、高倍率って何だよ」なんですが、それでも、欲しいものは欲しいからなぁ。
と、いっても10倍越えるようなのは、「AF-S NIKKOR 28-300mm f/3.5-5.6G ED VR」とタムロン「28-300mm F/3.5-6.3 Di VC PZD A010」との選択となりまして、9万7千円と4万4千円と比べたらなぁ……
そして、その次に来るのは「AF-S NIKKOR 24-120mm f/4G ED VR」とSIGMA「24-105mm F4 DG OS HSM」となります。
それぞれ12万円と8万5千円となかなかですが、フルサイズでF4なので、ボケで苦しむ事はないでしょう。手ブレ補正も付いているので、使えるシーンは沢山あるかなと。
SIGMAの方もArtラインですし、悪いってこたぁないでしょう。
フルサイズ大口径ズーム
そいで、一般的に本命なのが、「AF-S NIKKOR 24-70mm f/2.8G ED」です。18万5千円を高いとみるか安いと見るかなんですが、単焦点の「58mmF1.4」が16万円する事考えると、そんなに悪くないかも。
尤も、手ブレ補正が付いていないので、レンズキットの「AF-S NIKKOR 24-85mm f/3.5-4.5G ED VR」の手ブレ補正四段分を考えると、諸手を挙げて購入に賛成できるかというと微妙な所。
純正で更に安いのが、「Ai AF Zoom-Nikkor 24-85mm f/2.8-4D IF」で、こちらはスペックが近いけど、7万2千円とお手頃。
但し、古いレンズですから、AF速度や精度は24-70mmの方に軍配が上がりそうです。
24-85mmの美点は、最大撮影倍率が1/2倍と、普通にマクロレンズしている所です。
サードパーティーでは、タムロンの「SP 24-70mm F/2.8 Di VC USD A007」と「SP AF28-75mm F/2.8 XR Di LD Aspherical [IF] MACRO A09N II」、そしてSIGMAの「24-70mm F2.8 IF EX DG HSM」があります。
手ブレ補正付きは、タムロンの24-70mmだけになります。
価格はそれぞれ、8万4千円、3万2千円、8万8千円となってますが、作例とかレビューを見る限り、タムロンの24-70mmの方が優秀に思えます。
但し、タムロンのレンズは、デザインがイマイチなんだよなぁ。(他のレンズでも言える事だけど)
今後のことを考えると、SIGMAは、ここでもArtラインのレンズを出してくる可能性は高いので、注意が必要でしょう。
あと、お金を貯めながら、純正で新しいのが出てくるのを待つという手もあります。
フルサイズまとめ
高倍率ズームは、純正とサードパーティーと、どちらを選ぶの? って感じになるでしょう。
F4通しはどちらを取っても、損した感じにはならないと思いますが……
大口径ズームは、レンズキットのレンズと比べて、分かりやすい美点があるのは、タムロンの24-70mmだけです。値段は、まぁ、そこそこですが。
最後に、こういうのもアレですが、何だかんだで、単焦点を何本か持ち歩きたくなるんですよねぇ。
さもなくば、あっさり諦めて、高級コンデジでええんでない? と言う酷い話にもなるわけですが……
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