2012年12月25日火曜日

被写界深度とかボケの事とか

被写界深度に関する四つのルールを主に説明。
 身にならない話は、光路を作図してその理由を説明しました。

 被写界深度って、色々と勘違いされている言葉だ。
 被写界深度=ぼけ具合だと思っている人が多い。でも、あんまり正確な表現ではない。
 ただ、そう思っている人が多いから正しく伝わるだけで、「須く」と言った人と、聞いた人が両方とも「全て」と思っていれば、会話にズレが生じることがないのと同じだ。

 特に多いのは、「センサーサイズが大きいと被写界深度が浅くなる」と言う表現だ。
 「ぼけやすくなる」をちょっと格好良く言ったつもりだろうけれど、別に被写界深度は浅くも深くもならない。

 写真にはこの手の誤謬が色々ある。
 今回は、他に二つ紹介しよう。


1.ISO感度は低く設定した方が美しい

 何をもって美しいと言うかは、人によって違うけれど、センサーは標準とされる感度で使うのが一番性能が高くなる。

 ISO200を標準として作られたセンサーをISO1600で使うのは、フィルムカメラで言えば、ISO200のフィルムで写真を撮って、それを三段階増感するのと同じである。
 同様にして、ISO200のセンサーをISO100で使うのは、単純に一段階減感しているのと同じだ。
 決して、ISO100のフィルムに入れ替えているのではない。

 ただ、ニコンなどが言う表現を流用すれば「硬調になる」と言うので、そう言う写真の方が自分の好みだというならば、それも全く悪い表現ではない。



2.望遠レンズを用いると被写界深度は浅くなるが、被写体から離れると被写界深度は深くなる。結果として、同じ被写体を同じ大きさで撮影する限り、どのような焦点距離のレンズを使ってもボケ方はほとんど変わらない。

 Wikipediaを見て面白い記述だと思ったので、ネタにする。

 左が10mm、右が300mm、カメラはD300(APS-C)で撮影した。
 絞りはどちらもF5.6である。
 被写体の大きさが同じになるように撮影したので、当然、300mmの方は、10mmに比べて離れて撮影している。
 ぼけ方が同じだろうか?

 写真趣味というか、カメラ趣味の人は、往々にして自分で比較の出来ない事を批判の対象にすることがある。
 写真そのものを見ずに、カメラのスペックだけで語る人が多い。
 そう言う人の意見に耳を傾けるのは時間の無駄だ。

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