僕の写真体験は、実に否定的なものばかりだ。恐らく、僕の写真に関しての意識は、それに強く裏打ちされている。
写真に限った話をするなら、人生の初期に於ける、実にクリティカルな出来事は、小学五年生の林間学校での出来事だ。
正確に言えば、林間学校の数日後の出来事だ。
ハイキングだの、キャンプファイヤーだのに同伴したカメラマン(と言っても街の写真館の主人か何かだ)が写真を撮って、後日それを掲示、各自好きな写真を申し込むと言う方式で、当日の写真を手に入れる事が出来た。
その中で、僕は僕がメインで写っている写真――背景には軽く映り込む程度の人影しかない――を選んだ訳だが、学校の嫌われ者だった僕は、底意地の悪い人間が結託して、写真を買い占められた事を後に知る。
その写真屋も、何故申し込まれた数だけ焼き増ししなかったのか謎であるが、兎に角、教師からは売り切れて渡す写真がないと、支払った現金が一枚分だけ返却された。
買い占めた連中や、アホな写真屋、何の調整も出来ないクソな教師に向ける腹立たしさもあったが、そう言うものが過ぎ去ってみると、実際、僕がそのように写った写真に何の価値もない事に気付くことになった。
僕があの場にいたという記憶だけは、僕のものであり、そして、写真を奪ったところで、僕からそれが消える事はないという事を、この時悟ることになる。
それ以降、僕は記念写真というものを、人並みに評価することは出来なくなった。
どれぐらい関心を失ったかというと、その時の写真が紛失したままにして、全く気にならないぐらいだ。
そして、今、僕の子供の頃のアルバムを全部焼き捨てると言われれば、強いてそれを止めようなどとは思わない。
尤も、幼少期の実に酷い写真の数々を積極的に焼き払う事もしない。
僕がそれをそうしないのは、己の過去をそんな風にして否定してやろうと思わないだけだからだ。
人間は、どのような形であれ、過去が自身を形作る。
物証があると言う事が、自分の価値を高める訳でもないし、同時に何らかの恥ずべき出来事も、物証を消し去れば己自身の価値を落とさないで済むと言う事にはならない。
写真を残したからと言って"賢く"なる訳でも"偉く"なる訳でもない。人に自慢したところで誰も君を評価しないだろう。
それ以降、大人になるまで、僕は、写真機と言う道具を、その程度に過小評価していた。
否、それなりに写真を撮る事自体に興味がなかった訳ではない。しかし、それはせいぜい、男の子が機械に興味を持つという程度の事だ。
「写真は表現の手段である」と言う事に気付く前の頃の話である。
他にも幾つかの否定体験と、紆余曲折から僕は二十歳そこそこの頃にカメラを持ち、またカメラから離れ、そして再びカメラを持つことになったのだけど、その辺に関しては、とりわけ面白い話はない。
小さな事に、少しずつ気付いていったと言うだけのことだ。気が付けば何かを書くかも知れないが、多分、今日ほどのボリュームで書くことはないだろう。
もう一つ、僕の写真に対する態度を決めているのは、僕が"無感動な男"であると言う事だ。
目の前に有名人が現れ、また彼がファンの写真撮影に対して好意的であったとしても、僕はRollei35もD300も、iPhoneも取り出さないだろう。
鉄道は子供の頃、好きな方であったが、今は別に、目の前にドクターイエロー※が現れても驚きはしない。
格別に好きなアニメキャラも声優も、或いはアイドルもいないので、イベントに出掛けたいとは思わない。
コスプレはどちらかというと、洋裁に対する興味の方が強い。
人と話をするのは嫌いではないが、特別にそうしたいと願う人物は、有名無名を問わず存在しない。
特別に撮るものはない――それこそが、写真に対して深く考えさせる何かである。
※ドクターイエロー
新幹線の試験車両の事、黄色い塗装はまるで「黄色い救急車の都市伝説」を連想させるが、半可通な人に言わせると、レアキャラらしく、見ると幸せになるとか何とか訳の分からない"伝説"が勝手に作られている。
名駅で既に何度か見かけたが、私が幸福であるかどうかは、見ての通りである。
2013年12月31日火曜日
2013年12月30日月曜日
2013年12月29日日曜日
2013年12月28日土曜日
2013年12月27日金曜日
2013年12月26日木曜日
2013年12月25日水曜日
2013年12月24日火曜日
2013年12月23日月曜日
2013年12月22日日曜日
2013年12月21日土曜日
年末なんで今後のカメラとか考えてみる
トーシローが偉そうな顔して喋るだけだから、あんま気にせんといて~
と、予防線を引いておく。
まぁ、去年に引き続き……なんて話なんだけどさ。
ミラーレスが好調だという話は、最近聞かない感じだなぁと。
要するに、コンデジ使っていた人が、スマホとミラーレスに移ると、それ以上流出元が確保できないって事なんだなぁと。
残る一つの流出元である一眼レフからの乗り換えだけど、これははかばかしくないんだろうなと。
特に欧米ではなんやかんやで、デカイカメラの方が好まれるみたいで、「人の好みはそんなもんだ」と言われると、そうなんだろうなと。
もう、暫く前から言われていることだけど、m4/3だって商用撮影に使えるぐらいの性能がある。でも、クライアントが不安がるからor安く見られるから、結局フルサイズの一眼レフ使ってるよと言う話がある。
KissFを首から提げた男が、ミラーレスをdisってたなんて笑い話もあるし、その辺からするとどうしようもないんだなと。
尤も、カメラは見た目で選べという僕だから、デカイカメラ持った自分が素敵と思えば、そーゆーのでええんでないの? と言う所か。
特に印象的な現象と言えば、SONYのα7の事だろう。
あの大きさ、あの軽さなのにフルサイズというのは、実に素晴らしいことだが、思ったほど反応が薄い。
それはまるでマックのサラダみたいなものだ。マックでアンケートを採ると、必ずヘルシー志向のメニューが欲しいと言う要望が無視できない数出てくる。それを真に受けて、低カロリーな商品を出してみるのだが、客は反応しないという話だ。
フルサイズのミラーレスは、随分以前から待望論を耳にしていたが、結局、こういうスペック志向の連中は、デカイカメラが欲しいだけなのだ。
デカイのがお好きなら、マミヤでもペンタックスでも中判買えばいいものだが、要するに欲しいのはニコンなりキヤノンなりのロゴであったりするのだろう。
結局、一眼レフは今後も売れ続けるのだろうと思う。ミラーレスの性能が追いついたとしてもね。
その頃には、もう、人間の網膜から映像を撮れる時代になってるから、どうでもいいかなとか(ん
ニコンに関して言えば、ラインナップの重心がフルサイズにシフトしつつある気がする。
正確に言えば、APS-Cのボリュームそのままに、フルサイズのラインナップがどんどん肥っている。
現在、無駄に幅の広いラインナップを取り揃えているが、リソース的に大丈夫なん? と心配したくなる。
先に書いたように、一眼レフからミラーレスへのシフトが思うように行かないなら、APS-C一眼レフを絞っていく理由はない。この辺のジレンマが生じているのかも知れない。
少なくとも、世界的な動きとしてミラーレスが売れ出さない限り、ニコンのどっち付かずなラインナップは解消されないだろう。また、キヤノンも本腰を入れてミラーレスを開拓しようなどとは思わないのかも知れない。(この前、漸く二代目のカメラを出したけど、レンズは未だに三本しかない訳だし)
カシオに関する記事(カシオが「高級コンデジ」を作らないワケ)を読む限りでは、販売予想がキチっとしていれば、まだまだ商売やってけるって話なので、そういうもんなんだと納得するしかないかなぁと。
しかし、細る市場の中で、ニッチなモノを提供するってやり口は、トイデジを出していくのと似たようなモノで、黒字にする事は出来ても、デカくはなれないんじゃないかなぁと。
個人的には、ソニーのRX-1/Rなんかは、実によいカメラだと思うのだけど、あんな値段出して、単焦点でレンズ交換も出来ねぇカメラなんて、写真好き(not カメラ好き)しか買わない。
世の中は、写真好きよりも、カメラ好きが多く、そして圧倒的多くの「写ればいい」と言う人がいる。
もっと悪い言い方すれば、こんな高級コンデジよりも、ブリッジカメラの方が「それっぽい」訳だし、「写ればいい」人からすれば、高倍率のズームの方が望ましいのだ。
確かに、スマホに出来ない事をしたくて、且つ一眼レフを買うまでもない人が買うカメラとなると、ブリッジカメラは悪い選択肢じゃなさそうだ。
充分割り引いて考えても、そこそこのズーム倍率があるコンデジを選んで、妙な機能や、凝った性能はあんまし求めないだろう。
ただ、スマホの画素数がずっと上がって、デジタルズームがもっと綺麗になる可能性はあるし、笑顔検出だの動物検出だのもソフトウェアの問題だから、"コンデジ"に拘る理由は少ないかも知れない。
前にも書いたように、カシオのEXILIM EX-10やキヤノンのNなどは、写真表現としては実に有意義な試みだが、カメラを持つ人の中で、表現を目的としている人が、現実問題、どれぐらいのボリュームあるのか? と言う問題である。
アマチュアの世界は、まぁ、どうだって良いよ。
フィルムカメラ使う人が増えることは考えられないし(お
そんな事よりプロの話だ。
まずは、シカゴサンタイムズのカメラマンをリストラした話、結局再雇用することになったとか。
「カメラマンをクビにしてiPhone撮影に切替えた新聞社がカメラマンを再雇用することに合意
(GIGAZINE)」
とは言え、コレって不当解雇だってモメてた労組に折れたって話で、「iPhoneの写真じゃダメだったわぁ」って話じゃないからなぁ。(背景の一部にそういうのがないと断言は出来ないが)
そう言えば、何処かの子供写真専用スタジオは、プロのカメラマンを頼むんじゃなくて、育児経験のある女性を雇って、写真技術を教え込むんだとか。(子供の扱いに慣れているから)
確かに、同じスタジオで撮るわけだし、同じ構図を使いまわしても文句なんて言われないから、ある程度の技術を教えれば、それぐらいできるわな。
一方、子供の扱いばかりは、研修してどうのって出来ないから、この考え方は合理的なんだなぁと思った次第。
写真も写真で、決定的瞬間の方がクォリティより優先される訳で、今や誰しも携帯電話にカメラが付いている時代なら、その瞬間が写った写真なり動画なりを報道は欲しがる。
こういう写真をツイッターに上げた直後、何処の馬の骨とも知れぬ記者が"使用許可"を願い出ている光景も、今や珍しくなくなった。
常駐のカメラマンを多数配置しなくても良いと言う事か?
勿論、「プロの方がいいって分かっている。でも予算がないから、社員が(記者が)写真を撮るんだ」と言う話はよく聞く。
でも、予算に対して削減しても良いと言う対象であるなら、所詮はその程度の仕事なのだろう。
カメラの性能が上がっているから、写真技術の技能者なんて特に必要ないんだよねと。
そう、技術者としてじゃなくて、センスとか或いはネームバリューがないと使う意味がないんだねと。
更に、CGのコストも凄く下がっている。今の工業製品は3D-CADで設計されている事が多いから、モデリングも楽ちんで、モックアップを作る事なく広告を打てるのだ。
携帯電話みたいなライフサイクルの短い商品となるとスピードも要求され、設計段階から広告を作れるメリットは大きい。
こういうシフトが、現場レベルでどれぐらいの規模で起こっているのかは知らない。でも、「食える食えないで不安に思うならプロなんて目指すな」なんて話があるぐらいだから、アマチュアのプロごっこで楽しんでいるなら、そこに安住するのは悪くあるまい。
前から変わらない傾向だが、これからはより刹那的なものになるだろう。
例えば、僕は写真を撮る数が少ないので、フィルム写真をネットに上げる時なんて1シーズン遅れぐらいになってしまっている。
だが、人々が求めているのは「今」の感動な訳だから、年末になって、桜の写真や向日葵の写真など出しても誰も反応しないのだ。
それどころか、忘れ去られる事さえ求める動きもある。
Snapchatである。
このサービスが、今後どれぐらいのポジションに残っていくのか不透明だが、しかし、バカッターよろしく、犯罪自慢を喜ぶ向きには快適なサービスであるに違いない。
証拠は残らず、「面白いヤツ」と言う評価が残るのは、彼らにとって実に都合のよい事だからだ。
消える消えないは別として、少し前の"話題"なんて誰も見向きもしない。
タイムラプスやHDRなんてのは、ひとたびネットニュースに流れると、あっと言う間に消化されて、続報を誰も待ってくれない。
そうして、そうしたネタを、遅れて誰かがツイートなんかすると、「もう一月も前のニュースじゃねぇか」と苦笑いされてしまう。
一方、「保持していれば誰か見てくれるだろう」と言う希望も、多くの人が持ち続けるに違いない。
それはないにしても、自分の家の(いつ壊れるか知らない)HDDに仕舞っておくより、ネットに上げておいた方が安心できるという現実的な考え方を持つ人もいる。
そうなってくると、大きな容量で写真を管理するサービスと言うのも重要になってくるかも知れない。
この辺は、管理コストの問題から、有料サービスとなる訳だが、Flickerの改悪(課金ユーザは容量無制限だったものが2TBまでの制限になった)から考えると、上手く実現するのは難しそうだ。
革新的な大規模記憶装置でも登場しない限り状況は変わらないだろう。
「サービス事業者は、ユーザーのことを分かっていない!」と嘆く人もいるかも知れない。
でも、写真趣味のユートピア的なものは簡単に作れない。
「pixivやニコニコ静画の写真版を作ればいい」などと考えてはいけない。写真表現趣味の人なんて、イラストを描く人よりも(そして、カメラ趣味の人よりも)少ないのだから。
結局、価格コムみたいなところで、他人の装備を馬鹿にする所の方が理想的なのかも知れない。
誰にでも綺麗に鮮やかにシャープに写す事が出来る時代に、高解像度の全自動のカメラがどれほど意味を持つのか僕には分からない。
大多数は、それでもそう言う「よいカメラの写した写真」を「よい写真」と読み続けるだろう。
別に「珍しいモノを、綺麗に鮮やかにシャープに写す」写真が反芸術的とかそう言うつもりはない。それも極めれば立派だ。多くの人を感動させられるだろう。
だから、その辺はもう、感知しなくてもいいんじゃないかなと。
その他に目を向ければ、様々な試みを見つけることが出来る。だから、今の人々は実に自由にやれているんじゃないかなと。
勿論、「自由だからと言ってクソつまらねぇカフェの写真だの、散歩中の駄犬の写真をフェースブックに載っけて"日常の記録"とかゆーとる連中はくそ食らえだ!」みたいな意見もあるだろうけど、その辺は好き勝手にやらせておけばいいんじゃないかな。
自分の気持ちいいようにやる事をやって、それに共感してくれる人と楽しくやれればいいんじゃないかなと。
「人の意見には素直に従うべきだ」と煩い人がいるが、そう言う人は「自分の言いなりになる人物がいる」と言う事に悦びを得ているだけの人なので無視した方が良い。本当に必要な意見というのは、相互の信頼関係の中に生ずるものである、人生の教訓について通りすがりの人間が貴方に教えることが出来るのは、せいぜい"不味い方法"ぐらいなものだ。
人に好まれることを目的にすると、自分を偽ることになる。偽った自分を好きになってもらったとしたら、その好きを維持する為に、貴方は永遠に己を偽り、そして無理することになるだろう。
多くに好かれることは、表向き優れたことだろう。
しかし、SNSで趣味が細分化された時代、「程度の悪い人間のクラスタ」の中で一目置かれる存在が、果たして人間そのものとして優れていると言えるだろうか?
小さなサークルの中で、紅一点の女性が褒めそやされていたからと言って、その女性が美人で性格が良いかというのも別だ。
また、ニコニコ動画で人気のある歌い手が、エンターテーナーとして素晴らしいかと言うのも更に疑問だと言える。
重要なのは、人の動機に惑わされぬ己の判断力を信じることである。虚栄心を捨て丸裸の自尊心を持つことである。
僕の写真を好む人は極めて少ないだろう。しかし、それがどうしたのだろうか?
と、予防線を引いておく。
まぁ、去年に引き続き……なんて話なんだけどさ。
①相変わらずミラーレスの話だけど
ミラーレスが好調だという話は、最近聞かない感じだなぁと。
要するに、コンデジ使っていた人が、スマホとミラーレスに移ると、それ以上流出元が確保できないって事なんだなぁと。
残る一つの流出元である一眼レフからの乗り換えだけど、これははかばかしくないんだろうなと。
特に欧米ではなんやかんやで、デカイカメラの方が好まれるみたいで、「人の好みはそんなもんだ」と言われると、そうなんだろうなと。
もう、暫く前から言われていることだけど、m4/3だって商用撮影に使えるぐらいの性能がある。でも、クライアントが不安がるからor安く見られるから、結局フルサイズの一眼レフ使ってるよと言う話がある。
KissFを首から提げた男が、ミラーレスをdisってたなんて笑い話もあるし、その辺からするとどうしようもないんだなと。
尤も、カメラは見た目で選べという僕だから、デカイカメラ持った自分が素敵と思えば、そーゆーのでええんでないの? と言う所か。
特に印象的な現象と言えば、SONYのα7の事だろう。
あの大きさ、あの軽さなのにフルサイズというのは、実に素晴らしいことだが、思ったほど反応が薄い。
それはまるでマックのサラダみたいなものだ。マックでアンケートを採ると、必ずヘルシー志向のメニューが欲しいと言う要望が無視できない数出てくる。それを真に受けて、低カロリーな商品を出してみるのだが、客は反応しないという話だ。
フルサイズのミラーレスは、随分以前から待望論を耳にしていたが、結局、こういうスペック志向の連中は、デカイカメラが欲しいだけなのだ。
デカイのがお好きなら、マミヤでもペンタックスでも中判買えばいいものだが、要するに欲しいのはニコンなりキヤノンなりのロゴであったりするのだろう。
結局、一眼レフは今後も売れ続けるのだろうと思う。ミラーレスの性能が追いついたとしてもね。
その頃には、もう、人間の網膜から映像を撮れる時代になってるから、どうでもいいかなとか(ん
②APS-C一眼レフは衰退するのか?
ニコンに関して言えば、ラインナップの重心がフルサイズにシフトしつつある気がする。
正確に言えば、APS-Cのボリュームそのままに、フルサイズのラインナップがどんどん肥っている。
現在、無駄に幅の広いラインナップを取り揃えているが、リソース的に大丈夫なん? と心配したくなる。
先に書いたように、一眼レフからミラーレスへのシフトが思うように行かないなら、APS-C一眼レフを絞っていく理由はない。この辺のジレンマが生じているのかも知れない。
少なくとも、世界的な動きとしてミラーレスが売れ出さない限り、ニコンのどっち付かずなラインナップは解消されないだろう。また、キヤノンも本腰を入れてミラーレスを開拓しようなどとは思わないのかも知れない。(この前、漸く二代目のカメラを出したけど、レンズは未だに三本しかない訳だし)
③コンデジはどうなるのか?
カシオに関する記事(カシオが「高級コンデジ」を作らないワケ)を読む限りでは、販売予想がキチっとしていれば、まだまだ商売やってけるって話なので、そういうもんなんだと納得するしかないかなぁと。
しかし、細る市場の中で、ニッチなモノを提供するってやり口は、トイデジを出していくのと似たようなモノで、黒字にする事は出来ても、デカくはなれないんじゃないかなぁと。
個人的には、ソニーのRX-1/Rなんかは、実によいカメラだと思うのだけど、あんな値段出して、単焦点でレンズ交換も出来ねぇカメラなんて、写真好き(not カメラ好き)しか買わない。
世の中は、写真好きよりも、カメラ好きが多く、そして圧倒的多くの「写ればいい」と言う人がいる。
もっと悪い言い方すれば、こんな高級コンデジよりも、ブリッジカメラの方が「それっぽい」訳だし、「写ればいい」人からすれば、高倍率のズームの方が望ましいのだ。
確かに、スマホに出来ない事をしたくて、且つ一眼レフを買うまでもない人が買うカメラとなると、ブリッジカメラは悪い選択肢じゃなさそうだ。
充分割り引いて考えても、そこそこのズーム倍率があるコンデジを選んで、妙な機能や、凝った性能はあんまし求めないだろう。
ただ、スマホの画素数がずっと上がって、デジタルズームがもっと綺麗になる可能性はあるし、笑顔検出だの動物検出だのもソフトウェアの問題だから、"コンデジ"に拘る理由は少ないかも知れない。
前にも書いたように、カシオのEXILIM EX-10やキヤノンのNなどは、写真表現としては実に有意義な試みだが、カメラを持つ人の中で、表現を目的としている人が、現実問題、どれぐらいのボリュームあるのか? と言う問題である。
④写真を撮る人はどうなる?
アマチュアの世界は、まぁ、どうだって良いよ。
フィルムカメラ使う人が増えることは考えられないし(お
そんな事よりプロの話だ。
まずは、シカゴサンタイムズのカメラマンをリストラした話、結局再雇用することになったとか。
「カメラマンをクビにしてiPhone撮影に切替えた新聞社がカメラマンを再雇用することに合意
(GIGAZINE)」
とは言え、コレって不当解雇だってモメてた労組に折れたって話で、「iPhoneの写真じゃダメだったわぁ」って話じゃないからなぁ。(背景の一部にそういうのがないと断言は出来ないが)
そう言えば、何処かの子供写真専用スタジオは、プロのカメラマンを頼むんじゃなくて、育児経験のある女性を雇って、写真技術を教え込むんだとか。(子供の扱いに慣れているから)
確かに、同じスタジオで撮るわけだし、同じ構図を使いまわしても文句なんて言われないから、ある程度の技術を教えれば、それぐらいできるわな。
一方、子供の扱いばかりは、研修してどうのって出来ないから、この考え方は合理的なんだなぁと思った次第。
写真も写真で、決定的瞬間の方がクォリティより優先される訳で、今や誰しも携帯電話にカメラが付いている時代なら、その瞬間が写った写真なり動画なりを報道は欲しがる。
こういう写真をツイッターに上げた直後、何処の馬の骨とも知れぬ記者が"使用許可"を願い出ている光景も、今や珍しくなくなった。
常駐のカメラマンを多数配置しなくても良いと言う事か?
勿論、「プロの方がいいって分かっている。でも予算がないから、社員が(記者が)写真を撮るんだ」と言う話はよく聞く。
でも、予算に対して削減しても良いと言う対象であるなら、所詮はその程度の仕事なのだろう。
カメラの性能が上がっているから、写真技術の技能者なんて特に必要ないんだよねと。
そう、技術者としてじゃなくて、センスとか或いはネームバリューがないと使う意味がないんだねと。
更に、CGのコストも凄く下がっている。今の工業製品は3D-CADで設計されている事が多いから、モデリングも楽ちんで、モックアップを作る事なく広告を打てるのだ。
携帯電話みたいなライフサイクルの短い商品となるとスピードも要求され、設計段階から広告を作れるメリットは大きい。
こういうシフトが、現場レベルでどれぐらいの規模で起こっているのかは知らない。でも、「食える食えないで不安に思うならプロなんて目指すな」なんて話があるぐらいだから、アマチュアのプロごっこで楽しんでいるなら、そこに安住するのは悪くあるまい。
⑤写真共有はどうなるのだろう?
前から変わらない傾向だが、これからはより刹那的なものになるだろう。
例えば、僕は写真を撮る数が少ないので、フィルム写真をネットに上げる時なんて1シーズン遅れぐらいになってしまっている。
だが、人々が求めているのは「今」の感動な訳だから、年末になって、桜の写真や向日葵の写真など出しても誰も反応しないのだ。
それどころか、忘れ去られる事さえ求める動きもある。
Snapchatである。
このサービスが、今後どれぐらいのポジションに残っていくのか不透明だが、しかし、バカッターよろしく、犯罪自慢を喜ぶ向きには快適なサービスであるに違いない。
証拠は残らず、「面白いヤツ」と言う評価が残るのは、彼らにとって実に都合のよい事だからだ。
消える消えないは別として、少し前の"話題"なんて誰も見向きもしない。
タイムラプスやHDRなんてのは、ひとたびネットニュースに流れると、あっと言う間に消化されて、続報を誰も待ってくれない。
そうして、そうしたネタを、遅れて誰かがツイートなんかすると、「もう一月も前のニュースじゃねぇか」と苦笑いされてしまう。
一方、「保持していれば誰か見てくれるだろう」と言う希望も、多くの人が持ち続けるに違いない。
それはないにしても、自分の家の(いつ壊れるか知らない)HDDに仕舞っておくより、ネットに上げておいた方が安心できるという現実的な考え方を持つ人もいる。
そうなってくると、大きな容量で写真を管理するサービスと言うのも重要になってくるかも知れない。
この辺は、管理コストの問題から、有料サービスとなる訳だが、Flickerの改悪(課金ユーザは容量無制限だったものが2TBまでの制限になった)から考えると、上手く実現するのは難しそうだ。
革新的な大規模記憶装置でも登場しない限り状況は変わらないだろう。
「サービス事業者は、ユーザーのことを分かっていない!」と嘆く人もいるかも知れない。
でも、写真趣味のユートピア的なものは簡単に作れない。
「pixivやニコニコ静画の写真版を作ればいい」などと考えてはいけない。写真表現趣味の人なんて、イラストを描く人よりも(そして、カメラ趣味の人よりも)少ないのだから。
結局、価格コムみたいなところで、他人の装備を馬鹿にする所の方が理想的なのかも知れない。
⑥写真表現の未来
誰にでも綺麗に鮮やかにシャープに写す事が出来る時代に、高解像度の全自動のカメラがどれほど意味を持つのか僕には分からない。
大多数は、それでもそう言う「よいカメラの写した写真」を「よい写真」と読み続けるだろう。
別に「珍しいモノを、綺麗に鮮やかにシャープに写す」写真が反芸術的とかそう言うつもりはない。それも極めれば立派だ。多くの人を感動させられるだろう。
その他に目を向ければ、様々な試みを見つけることが出来る。だから、今の人々は実に自由にやれているんじゃないかなと。
勿論、「自由だからと言ってクソつまらねぇカフェの写真だの、散歩中の駄犬の写真をフェースブックに載っけて"日常の記録"とかゆーとる連中はくそ食らえだ!」みたいな意見もあるだろうけど、その辺は好き勝手にやらせておけばいいんじゃないかな。
自分の気持ちいいようにやる事をやって、それに共感してくれる人と楽しくやれればいいんじゃないかなと。
「人の意見には素直に従うべきだ」と煩い人がいるが、そう言う人は「自分の言いなりになる人物がいる」と言う事に悦びを得ているだけの人なので無視した方が良い。本当に必要な意見というのは、相互の信頼関係の中に生ずるものである、人生の教訓について通りすがりの人間が貴方に教えることが出来るのは、せいぜい"不味い方法"ぐらいなものだ。
人に好まれることを目的にすると、自分を偽ることになる。偽った自分を好きになってもらったとしたら、その好きを維持する為に、貴方は永遠に己を偽り、そして無理することになるだろう。
多くに好かれることは、表向き優れたことだろう。
しかし、SNSで趣味が細分化された時代、「程度の悪い人間のクラスタ」の中で一目置かれる存在が、果たして人間そのものとして優れていると言えるだろうか?
小さなサークルの中で、紅一点の女性が褒めそやされていたからと言って、その女性が美人で性格が良いかというのも別だ。
また、ニコニコ動画で人気のある歌い手が、エンターテーナーとして素晴らしいかと言うのも更に疑問だと言える。
重要なのは、人の動機に惑わされぬ己の判断力を信じることである。虚栄心を捨て丸裸の自尊心を持つことである。
僕の写真を好む人は極めて少ないだろう。しかし、それがどうしたのだろうか?
2013年12月20日金曜日
2013年12月19日木曜日
2013年12月18日水曜日
2013年12月17日火曜日
2013年12月16日月曜日
フィルム分9/31~どこいな
送信者 - |
あらゆるものが、漏れなく配置されている。
カメラ:Rollei35S
フィルム:富士フイルム 記録用カラーフィルム400
2013年12月15日日曜日
SB-11を使い物にする
送信者 他いろいろ |
底のフタを反時計回りに回せば、中から電池ケースが出てくる筈なんですが、硬くて開かないと言う代物。
無理矢理にでもこじ開けてやるつもりで買ったのですが、結構骨が折れました。
温めるだの叩くだの、開かないフタを空ける方法は一通り試しましたが無駄でした。
非破壊的に空けるのは無理だと悟って、ひとまず、底に幅1mmぐらいの溝を金のこで引いて、そこに金尺を突っ込んで回すと言う作戦に。
しかし、金尺が曲がりそうなぐらい力を入れてもダメだったので諦めました。
この時、底に穴が開いてしまいまして、それを利用して、中にCRCを投入。
加えて、溝に対して斜めにタガネをあてて金槌でガッツンガッツン叩いたところ、どうにかこうにか開くことが出来ました。
何でこんなに硬かったかというと、中の電池が液漏れを起こしてまして、そりゃぁもう、中は地獄絵図に。
電池ケースの電極がやられていたり、ねじ山が少し溶けていたりと、アルカリ乾電池の液をナメちゃぁいかんなぁと言う状態に。(一応KOHな訳だし)
析出した塊は、お湯で一通り溶かし……それでも足りないんで、千枚通しでほじくり出して使える状態に。
市販の電池ケースを一つ壊して、電極を半田付け(どうしても芋半田になったので、グルーガンで固定という酷い状態)何とか、電池を突っ込める状態にしました。
これで動かなかったら、全てが徒労だったと言う事になるのですが……ネタにしている段階で動いたって事ですよね。
電池8本突っ込んでなんとか動きました。
しかし、本当にコレは微妙ですよ。
電池8本も使うクセしやがって、GNは36しかないし、シンクロタイムは1/125っぽいし……
(一応、発光量の調整は四段階で出来る)
(一応、発光量の調整は四段階で出来る)
重いし、大きさは全長28cmぐらいある。アタッチメントもないって事もあって、持ち運びできませんね。(ストロボ手に持って、ハトが出ますよごっこは出来そうですが――その為に大判を買うという)
そう考えると、今のストロボは凄いです。ミドルクラスのストロボでも、四本で動いて連写も可能。
しかもGNは一回り大きいと来ている。
凄い進化だなぁ。
何はともあれ、改造です。
要するに、外部電源を使えるようにしたればええんですわ。どのみち、外で使う事なんてない訳だし。
単三電池8本だから、9.6Vを何とか電極に放り込んでやれば動くだろうって事で作業開始です。
筒の中には、4つの電極。テスターをあてると、どうも、そのうち二つは、直通っぽい。
って事は、残り二つの電極に10Vぐらい放り込んでやればOKだよね!
って事で頑張ってみたのですが……何故か、上手く行かなかった。
電極1対に対して、5Vずつ放り込まなくちゃ行けないのかなぁ。って事で、USBからの電源を二系統用意して、放り込んだら動作しました。
でもなぁ、何かやっぱり違うっぽいんですよ。
例えばPCのUSBポートにブチ込んだり、2ポートある電源に両方ブチ込んだりしても動作しないんです。
つまり、分けて放り込む必要はなかったっぽいんですよね。
どっちみち、回路的には同じなので気にしない方向で行こうと思います。
そうそう、チャージはなんと、15秒ぐらい掛かります。もうね、どうやって使おう。
2013年12月14日土曜日
2013年12月13日金曜日
2013年12月12日木曜日
スレーブユニットを使ったりして
この前のスレーブユニット&300EZを使って、色々試してこんなもの。
まぁ、何と言いましょうか……
関係のない話ですが、バルクのSB-11を買ったら、電池蓋が開かないって事がありました。
色々頑張ってこじ開けると、中で液漏れを起こしていたという酷い有様。
電極が溶けるわ裏蓋も少し溶けるわ。アルカリ電池をナメちゃいかんですな。
無駄に大きくデカいのに、GNが36ってのも泣ける感じです。撮影用小道具だなぁと。
2013年12月11日水曜日
写真の撮り過ぎ、思い出薄れる? 心理学研究
写真の撮り過ぎ、思い出薄れる? 心理学研究(AFP)
写真にして記録すると、それについての記憶が曖昧になるんだとか。
メモをすると、メモしたことを忘れるみたいなものか。
確かに、そんな感じがしないでもない。
必至になって"記録写真"の撮影に勤しんでいる方々が見えるが、それについてどれほど記憶を残しているのか不安だ。
"何か"を取り囲むようにして撮影している人々、彼らは何を考えて撮っているのだろうか?
それを考えると、僕はぞっとして、カメラを構えるのを躊躇してしまう。
僕なんかは、とりわけ特別な被写体を撮影している訳でもないのに、大体どんなところで、どんな事を考えながら撮ったのかは記憶している。
勿論、全てではないのだけど。
多分、こう言う事は、何を考えていたのか? と言う事に力点を置かなくちゃいけないんだ。
こういう書き方をすると、凡庸な庶民とは違って、俺は考えがあって撮影しているんだという高慢な態度に取られがちだけど、考えたからと言って良い写真が撮れるかどうかはまた別な話なのだ。
沢山ふぁぼられるような写真を撮れば、まぁ、記憶もするでしょう。
写真にして記録すると、それについての記憶が曖昧になるんだとか。
メモをすると、メモしたことを忘れるみたいなものか。
確かに、そんな感じがしないでもない。
必至になって"記録写真"の撮影に勤しんでいる方々が見えるが、それについてどれほど記憶を残しているのか不安だ。
"何か"を取り囲むようにして撮影している人々、彼らは何を考えて撮っているのだろうか?
それを考えると、僕はぞっとして、カメラを構えるのを躊躇してしまう。
僕なんかは、とりわけ特別な被写体を撮影している訳でもないのに、大体どんなところで、どんな事を考えながら撮ったのかは記憶している。
勿論、全てではないのだけど。
多分、こう言う事は、何を考えていたのか? と言う事に力点を置かなくちゃいけないんだ。
こういう書き方をすると、凡庸な庶民とは違って、俺は考えがあって撮影しているんだという高慢な態度に取られがちだけど、考えたからと言って良い写真が撮れるかどうかはまた別な話なのだ。
沢山ふぁぼられるような写真を撮れば、まぁ、記憶もするでしょう。
2013年12月10日火曜日
2013年12月9日月曜日
2013年12月8日日曜日
2013年12月6日金曜日
安価な照明を用意したい
この前はストロボの話だけど、今回は定常光。
いやぁ、スタジオ経験なんてほぼ皆無なんで、詳しい事なんてかけないけど、まぁ、何というか着ぐるみだのコスプレだのの、自宅で撮影会しましょうって時に、使える最低限の方法を考えましょうという回。
写真用の撮影機材って、なんかこう、無闇に高いわけで、安いところに行ったとしても、一式揃えると、結構行くわけですよ。
大きな家に住んでいる訳でもなければ、そんなにスペース食えないし、自宅で撮影会だなんてそんなに発生するイベントじゃないじゃないですか。
悪い言い方すると、何で人様のためにこんなにがんばらなくちゃならんのって事な訳です(コラ
でまぁ、いろいろ探したけど、Amazonで見つけた「撮影照明用 大光量 スパイラル インバーター 蛍光灯電球 500w相当」(500W相当は、恐らく全光束で1万lmぐらい)なんてのが、1.5千円で出ている。(消費電力は105W)
次点は、「PHOTO TOOLS」の蛍光灯型電球だ。(さっきのも扱いはPHOTO TOOLSになっている。何故、別の場所で別のモン打ってるのか謎)
こちらは、消費電力36Wで200W相当(恐らく全光束で3000lm強ってところ)で、価格は980円。
僕は、36Wの方を持っているけれど、4本まとめないと、思ったほどの光量にならなかった。
そのことを考えると、105Wの電球の方が良さそうだ。
大型のカメラ屋なんかに行くと、500Wの白熱電球が三千ナンボで手に入るからかなりお得。
しかも、白熱電球の寿命はどう考えても短いし、熱が出るから火傷や火事の用心もしなくちゃいけない。(勿論、蛍光灯だって熱くなるけど、その差は明らかだ)
LEDの方は、電球型で1500lm以上のものが見つからなかった。(本気で探してないので、"ない"と断言はしないが)
長寿命とはいえ、数を増やさなくちゃいけないから、かなり手痛い出費となる。
ディスカウントストアに行くと、新古品のハロゲンライトなんかが安く売っていて、大量購入するって手もあるんだけど、この方法だと、あとで同じものを買い足すことが出来ないから、光の色が統一されない。
統一されないとどうなるかというと、ホワイトバランスがぐちゃぐちゃになってしまう。
んなもん、現像の時に直せばいいとか、プリセットするから問題ないって思うだろうけど、このことに関しては殆どNGと言って良い。
右側は青い照明、右側は赤い照明を利用したとしよう。そうなると、モデルの右側と左側ではそれぞれ違う色に染まってしまう。
そうした時、どちらにプリセットすれば良いのか? となると、どうしようもなくなる。
勿論、ワザとカラーフィルターを使っている場合は別だけど、意図しない光源の違いは失敗の元なのでやめた方が良い。
さて、電球だけ買っても、電気は点かない。
ここで、撮影機材のクリップスタンドなんて買うと、四、五千円ほど取られる。
しかし、金口がE26に対応していればいいし、対応の消費電力も電球より大きければ、何だってかまわないのだ。
軽く調べると、200W対応のクリップスタンドが1.5千円前後とか、150W対応のものが1.2千円で売っていたりする。(36Wの電球を使うとなると、千円を切ってくる)
これらは、「E26 クリップスタンド」とか「E26 クリップライト」なんかで検索すると沢山出てくる。
最後にスタンドだが、これは立てられるモノなら、何だっていいはずだ。安い三脚を利用してもいいし、塩ビのパイプをつなぎ合わせて自作してもよい。
丁度良い位置に戸棚などがあれば、それを利用すれば、場所を取らないで済む。
この辺は想像力と、試行錯誤の勝負なんだと思うし、それこそが写真を楽しむ所ではないだろうか。
さて、これらは、ソフトボックス(箱状になっていて正面に白い布が張ってあるやつ)やアンブレラ(中が銀とか白に着色されている傘)なんかが付いていない訳だけど、ストロボを直あてするよりかは、マイルドな光なのは間違いない。また、壁や天井を使う等の工夫をするだけで、随分と結果が違ってくる筈だ。
今回は、安価に用意するって事が目的なので、こんなもんでしょうと言う程度で……
いやぁ、スタジオ経験なんてほぼ皆無なんで、詳しい事なんてかけないけど、まぁ、何というか着ぐるみだのコスプレだのの、自宅で撮影会しましょうって時に、使える最低限の方法を考えましょうという回。
写真用の撮影機材って、なんかこう、無闇に高いわけで、安いところに行ったとしても、一式揃えると、結構行くわけですよ。
大きな家に住んでいる訳でもなければ、そんなにスペース食えないし、自宅で撮影会だなんてそんなに発生するイベントじゃないじゃないですか。
悪い言い方すると、何で人様のためにこんなにがんばらなくちゃならんのって事な訳です(コラ
でまぁ、いろいろ探したけど、Amazonで見つけた「撮影照明用 大光量 スパイラル インバーター 蛍光灯電球 500w相当」(500W相当は、恐らく全光束で1万lmぐらい)なんてのが、1.5千円で出ている。(消費電力は105W)
こちらは、消費電力36Wで200W相当(恐らく全光束で3000lm強ってところ)で、価格は980円。
僕は、36Wの方を持っているけれど、4本まとめないと、思ったほどの光量にならなかった。
そのことを考えると、105Wの電球の方が良さそうだ。
大型のカメラ屋なんかに行くと、500Wの白熱電球が三千ナンボで手に入るからかなりお得。
しかも、白熱電球の寿命はどう考えても短いし、熱が出るから火傷や火事の用心もしなくちゃいけない。(勿論、蛍光灯だって熱くなるけど、その差は明らかだ)
LEDの方は、電球型で1500lm以上のものが見つからなかった。(本気で探してないので、"ない"と断言はしないが)
長寿命とはいえ、数を増やさなくちゃいけないから、かなり手痛い出費となる。
ディスカウントストアに行くと、新古品のハロゲンライトなんかが安く売っていて、大量購入するって手もあるんだけど、この方法だと、あとで同じものを買い足すことが出来ないから、光の色が統一されない。
統一されないとどうなるかというと、ホワイトバランスがぐちゃぐちゃになってしまう。
んなもん、現像の時に直せばいいとか、プリセットするから問題ないって思うだろうけど、このことに関しては殆どNGと言って良い。
右側は青い照明、右側は赤い照明を利用したとしよう。そうなると、モデルの右側と左側ではそれぞれ違う色に染まってしまう。
そうした時、どちらにプリセットすれば良いのか? となると、どうしようもなくなる。
勿論、ワザとカラーフィルターを使っている場合は別だけど、意図しない光源の違いは失敗の元なのでやめた方が良い。
さて、電球だけ買っても、電気は点かない。
ここで、撮影機材のクリップスタンドなんて買うと、四、五千円ほど取られる。
しかし、金口がE26に対応していればいいし、対応の消費電力も電球より大きければ、何だってかまわないのだ。
軽く調べると、200W対応のクリップスタンドが1.5千円前後とか、150W対応のものが1.2千円で売っていたりする。(36Wの電球を使うとなると、千円を切ってくる)
これらは、「E26 クリップスタンド」とか「E26 クリップライト」なんかで検索すると沢山出てくる。
最後にスタンドだが、これは立てられるモノなら、何だっていいはずだ。安い三脚を利用してもいいし、塩ビのパイプをつなぎ合わせて自作してもよい。
丁度良い位置に戸棚などがあれば、それを利用すれば、場所を取らないで済む。
この辺は想像力と、試行錯誤の勝負なんだと思うし、それこそが写真を楽しむ所ではないだろうか。
さて、これらは、ソフトボックス(箱状になっていて正面に白い布が張ってあるやつ)やアンブレラ(中が銀とか白に着色されている傘)なんかが付いていない訳だけど、ストロボを直あてするよりかは、マイルドな光なのは間違いない。また、壁や天井を使う等の工夫をするだけで、随分と結果が違ってくる筈だ。
今回は、安価に用意するって事が目的なので、こんなもんでしょうと言う程度で……
2013年12月5日木曜日
2013年12月4日水曜日
2013年12月3日火曜日
2013年12月2日月曜日
安価にストロボ増灯を実現してみる
ストロボ一灯で写真を撮っていると、影だの何だの、或いはGNが足りないだの何だのと言う問題に直面する。
僕の場合は、部屋が狭いので、自分の部屋で撮影する分には満足なのだけど……ネタが欲しいんだ。
そこで手に入れたのが、ジャンク品のストロボCanon 300EZだ。
カメラ屋のジャンク箱の中に、300EZが三個あったので、取り敢えず二つ確保。
150円のものと、250円のものを一つずつ。
家に帰って動作確認すると、150円の方が問題なく動き、250円の方は、いつまで経ってもチャージ終了にならない。
修理する自信もないので、ネタ用に分解して外装だけ持っておこう。
ハトが出るギミックとか作りたいけどなぁ。
2cmぐらいのハトのフィギュアと5V駆動のソレノイド、あとトランジスタが一つあれば作れそうだけどね。
兎にも角にも、この300EZがどういう代物かと言う事なんだけど……フィルム時代のストロボです。
現用のデジカメに載せても、TTLとか無視して、目一杯に光ってしまうから殆ど使えないらしい。
本来はズームに連動するらしいが、当然、これも動作しないので、35mm決め打ちになる。
マニュアルを検索すると英語版が出てきた。
これによると、35mmでGN25らしい。(maxでGN30になるそうだけど)
ISO200で被写体との距離が3mだとした時、F11強まで絞らなくちゃいけないし、バウンスも出来ないので、そのままでははっきり言って使い物にならない。
何はともあれ、マトモに動作するかどうか、調べてみなくてはなりませんね。って事で、D300に載せて撮ってみると、一応動作してくれます。
SSが1/250secでも反応してくれました。
GNは、マニュアルの通り25で良さそうです。
そんな訳で、問題はクリアしたので、早速スレーブユニットを買ってきました。
モノは、エツミのE-528。ホットシューもシンクロターミナルも付いているので、シンクロコード経由でも動きそうです。
スレーブユニットを装備して、三脚に載せれば、バウンスも何もやりたい放題になるって訳なのです。
載せる三脚は何だっていいです。最悪、百均で買ってきた三脚でも問題なさそうです。
300EZをスレーブユニットのホットシューに取り付けて、その上、シンクロターミナルにもストロボを接続してみました。
そこに、カメラの内蔵ストロボを発光させたら、二つとも同時に発光できたので、ワイヤレスで二灯や三灯を発光させることは可能なようです。
んじゃまぁ、撮ろうかって事で、試しに何枚か撮ってみるんだけど……どうも上手く行かない。
いろいろいじった上で気付いたんだけど、ニコンのカメラで「コマンダーモード」って発光を選択しておくと、普通のストロボのタイミングより早いタイミングで発光を行うようだ。
確かにCLSを採用しているストロボとの通信をしなくちゃいけない訳だから、当然っちゃぁ当然か。
と、言う事で、内蔵ストロボの設定をマニュアルの1/128発光に変更。
その後は、スムーズに全部光ってくれて、めでたしめでたしと。
スレーブユニットのいい所は、メーカーとか問わずに使える所。そして、内蔵のストロボさえあれば、どのカメラからも発光させられる。
自宅なんかで撮影会やりますよって時、メーカーの違うストロボをまとめて使う事も出来るし、カメラ側に特別なコマンダーなり、発信器なりを載せ替えたりしなくても済むという便利さがあったりします。
まぁ、ぼっちな私に、この装置が活躍するかどうか怪しげなものですが……
僕の場合は、部屋が狭いので、自分の部屋で撮影する分には満足なのだけど……ネタが欲しいんだ。
そこで手に入れたのが、ジャンク品のストロボCanon 300EZだ。
カメラ屋のジャンク箱の中に、300EZが三個あったので、取り敢えず二つ確保。
150円のものと、250円のものを一つずつ。
家に帰って動作確認すると、150円の方が問題なく動き、250円の方は、いつまで経ってもチャージ終了にならない。
修理する自信もないので、ネタ用に分解して外装だけ持っておこう。
ハトが出るギミックとか作りたいけどなぁ。
2cmぐらいのハトのフィギュアと5V駆動のソレノイド、あとトランジスタが一つあれば作れそうだけどね。
兎にも角にも、この300EZがどういう代物かと言う事なんだけど……フィルム時代のストロボです。
現用のデジカメに載せても、TTLとか無視して、目一杯に光ってしまうから殆ど使えないらしい。
本来はズームに連動するらしいが、当然、これも動作しないので、35mm決め打ちになる。
マニュアルを検索すると英語版が出てきた。
これによると、35mmでGN25らしい。(maxでGN30になるそうだけど)
ISO200で被写体との距離が3mだとした時、F11強まで絞らなくちゃいけないし、バウンスも出来ないので、そのままでははっきり言って使い物にならない。
何はともあれ、マトモに動作するかどうか、調べてみなくてはなりませんね。って事で、D300に載せて撮ってみると、一応動作してくれます。
SSが1/250secでも反応してくれました。
GNは、マニュアルの通り25で良さそうです。
そんな訳で、問題はクリアしたので、早速スレーブユニットを買ってきました。
送信者 他いろいろ |
モノは、エツミのE-528。ホットシューもシンクロターミナルも付いているので、シンクロコード経由でも動きそうです。
スレーブユニットを装備して、三脚に載せれば、バウンスも何もやりたい放題になるって訳なのです。
載せる三脚は何だっていいです。最悪、百均で買ってきた三脚でも問題なさそうです。
300EZをスレーブユニットのホットシューに取り付けて、その上、シンクロターミナルにもストロボを接続してみました。
そこに、カメラの内蔵ストロボを発光させたら、二つとも同時に発光できたので、ワイヤレスで二灯や三灯を発光させることは可能なようです。
んじゃまぁ、撮ろうかって事で、試しに何枚か撮ってみるんだけど……どうも上手く行かない。
いろいろいじった上で気付いたんだけど、ニコンのカメラで「コマンダーモード」って発光を選択しておくと、普通のストロボのタイミングより早いタイミングで発光を行うようだ。
確かにCLSを採用しているストロボとの通信をしなくちゃいけない訳だから、当然っちゃぁ当然か。
と、言う事で、内蔵ストロボの設定をマニュアルの1/128発光に変更。
その後は、スムーズに全部光ってくれて、めでたしめでたしと。
スレーブユニットのいい所は、メーカーとか問わずに使える所。そして、内蔵のストロボさえあれば、どのカメラからも発光させられる。
自宅なんかで撮影会やりますよって時、メーカーの違うストロボをまとめて使う事も出来るし、カメラ側に特別なコマンダーなり、発信器なりを載せ替えたりしなくても済むという便利さがあったりします。
まぁ、ぼっちな私に、この装置が活躍するかどうか怪しげなものですが……
2013年12月1日日曜日
ストロボ/フラッシュに関する基本的なお話
とりわけ説明しなくちゃならない訳じゃないけど、今回、ジャンク品のストロボを拾ったので、その前提のお話を幾つか。
先ずは用語の説明だけど、フラッシュもストロボも、そしてスピードライトや、エレクトロニックフラッシュと呼ばれるモノは、全て同じものである。
各社で呼び方が違うだけである。
以前、何処かのブログで、「スタジオにあるようなのがストロボ、外付けのがスピードライト、内蔵がフラッシュと言う」とか訳の分からない事を言っていて、ぎょっとしたことがある。
当然、突っ込みが入っていたが、どうやら思い込みで書いていたらしい。
「ストロボ」は、元々ストロボリサーチ社の商標であったが、現在は失効しているので、使いたい所が適当に使っている。
なお、カメラのホットシューに取り付けるストロボを「クリップオン・フラッシュ」なんて言ったりします。
スタジオで使うようなストロボには、ジェネレーターとフラッシュヘッドの二つに分かれたものと、二つが一つに組み合わさったモノブロックのストロボと言うものがあります。
こんな偉そうなこと書いて、スタジオ撮影とかしないから、細かい所は分かんないです。
ストロボを発光させることを「焚く」なんて言い方しますが、これはその昔、マグネシウム粉末を「焚いて」光源としていたからです。
小学校か中学校の理科の実験で、マグネシウムリボンを燃やした事ってありますよね? 白色の強い光が、瞬間的(電気で動くストロボに比べれば遅いのですが)に走るのです。
その後、閃光電球などを経て、今は、電気で動作するストロボが殆どの場合使われます。
閃光電球もフラッシュ扱いなので、これと区別する時に、エレクトロニックフラッシュと言う言葉を使います。
ストロボが何をやっているかというと、明るい光を当てると言う事をやっているだけである。
では、それが写真となるプロセスはどうなっているだろうか?
ここでは、他に照明や窓のない真っ暗な部屋を想定しよう。
被写体とカメラ、そしてカメラにはストロボが内蔵されている。
①カメラマンは、カメラのシャッターを切ると、シャッター幕が開き、露出が始まる。
しかし、この部屋は真っ暗なので、イメージセンサーには光が入らない。
②ここで、ストロボが発光する。
人間の目には一瞬だが、スローモーションで見れば、一定時間続く光である。
③強い光が当たった被写体をカメラのセンサーが捉える。
④そして、ストロボの発光が終わり、闇に包まれると、シャッター幕は閉じる。
本当のところは、少し違う所※があるが、概念はこう言う事である。
この時、ストロボが光っている間と、シャッターの開いている時間は同期する必要がある。
つまり、ストロボの光が十分でないうちにシャッター幕が閉じてしまうと露出が不完全になってしまうからだ。
シャッター幕が長く開いている分には露出は変わらないが。問題となるのは必要最低限の一番短い時間となります。
これはフラッシュによって違っており、このシャッタースピードのことを「シンクロタイム」と言う。
後述する、"スローシンクロ"とか、"日中シンクロ"のシンクロとは、このシンクロタイムのことである。
※少し違う所
本当のところは、シャッター幕は(基本的に)横へ走るので、その走っている間光っている必要がある)
ストロボの性能の指標として、ガイドナンバーというモノがある。略して「GN」とか「G.N.」とか書く。
ガイドナンバーとは、一言で言えば、ストロボの光の強さの事だ。
もう一度言うけど、後述する、日中シンクロとか、スローシンクロは、通常の環境光も利用した上でストロボも使うというワザである。
尤も最近のカメラとストロボは、この辺をしっかり自分で計算してくれるので、あんまり考える必要はなかったりします。
最悪でも、デジカメならトライアル・アンド・エラーで何とかなりますからね。
ストロボは、カメラにくっつけた状態で使われる事が多いですが、これを外して使用することも可能です。
これは、例えば、被写体の脇から光を当てたいとか、複数のストロボを焚きたい時などに使います。
メーカー純正のカメラとストロボの組み合わせの場合、この辺を良い感じにやってくれる仕組みがあります。(ニコンノ場合は、クリエイティブ・ライティング・システムなんて言いますね)
大抵は、赤外線で通信を行い、発光量の加減を自分たちで決めてしまうのです。
しかし、それ以外の接続の方法もあります。ケーブルで繋ぐ場合と無線で繋ぐ場合、そして受動的に光るストロボを使う場合です。
ケーブルを使う方法は、カメラとストロボにある、シンクロターミナルをシンクロコードを使って接続します。
シンクロターミナルは、最近は一部の高級機にしか装備されていません。
そうでないカメラでこれを使用する場合、ホットシューに「シンクロターミナルアダプター」と呼ばれるものを取り付けることで利用可能になります。
簡単に説明すれば、ホットシューの電極をケーブルにして延長したのが、シンクロターミナルとシンクロコードと考えて良いでしょう。
無線で行う場合は、「ワイヤレス・フラッシュ・アダプター」(商品名によって多少異なる)なんてものを利用します。
これは、カメラ側に親機、ストロボ側に子機をくっつけて使用します。
これらの道具は、ホットシューまたはシンクロターミナルを使って、カメラやストロボに接続します。
この手の商品は、海外からの輸入品も沢山ありますが、一部電波法に引っかかる商品もあるので、ちゃんとした所で買った方がよいでしょう。
これらの方法を用いずに、何処かで光ったストロボの光を受けて、自分も光り始めるという仕組みもあります。
これをスレーブ機能と言い、サードパーティのフラッシュに搭載される事が多いです。
また、スレーブ機能だけを持つストロボも存在しています。(EX:ヒカル小町)
手持ちのストロボにスレーブ機能が付いていない場合、スレーブユニットと言うものを使う事も出来ます。
スレーブユニットは、シンクロターミナルを装備するものと、ホットシューで繋がるもの、そして両方で繋がるものもあります。
因みに、これらの方法では、シャッターを押したという信号だけが発信されるだけなので、発光量は、マニュアルで決めなければなりません。
複数のストロボを利用する時、(同じ機能を有する)純正品だけを利用する場合以外、マニュアルでの撮影を強いられることになる。
デジカメ時代なんだから、トライアル・アンド・エラーでやっていけばいいことなんだけどさ。
それでも、一応計算の方法を書いておきます。
a = √[ (g1/d1)^2 + (g2/d2)^2 + (g3/d3)^2 + …… + (gx/dx)^2 ] * √[s/100]
a : 絞り
gn : n番のストロボのガイドナンバー
dn : n番のストロボと被写体との距離
s : ISO感度
ジャンク品でも使えるものは使えるのだけど、古いタイプのストロボや、(HOLGAなどの)トイカメ用のストロボの場合、高電圧がそのままホットシューに掛かるので、デジカメなどの機器には使わない方が良い。
一応保護回路や、そういうストロボでも使えるような仕組みなどが搭載されているようだが、何かを保証している文言を見かけたこともないので、使用しないに越したことはない。
日中シンクロとは、日中でもストロボを使うワザである。
例えば、背景は明るいが、被写体は日陰に入ってしまっている場合に使う。
照明を当てるとか、レフ板を使用すると言う方法以外に、ストロボを使うという手もあるのだ。
背景には、ストロボの光は届かないので、絞りやシャッタースピード(勿論シャッタースピードは、シンクロスピード以下にしなければならないが)、そしてISO感度を背景の明るさに合わせて決める。
そして、被写体への光は、ストロボの発光量を加減してやる。
そうすると、明るい背景の中に、被写体が埋もれると言うことがなくなる。
しかし、問題が生じる。
日中で撮影する場合、シャッタースピードはどうしても1/2000秒とか、かなり速いスピードになってしまう。これを無理矢理1/250秒なんかに設定すると、とんでもなく絞り込まなくてはならなくなり、背景をぼかしたい場合なんかに使えない方法となる。
こういう時に取り出すのがNDフィルターである。
絞りを絞り込まなくても、入ってくる光を低減させられるので、日中シンクロがやりやすくなるのだ。
では、夜景を撮る時にはどうだろう?
ストロボで撮ると、モデルは美しく写るが、背景の街の明かりやイルミネーションが撮影出来ない。
かといって、ストロボを使わないと、モデルが真っ暗になってしまう。
ここで思い出して欲しいのは、ストロボが必要な時は、基本的に真っ暗だと言う事だ。
先ず、シャッタースピードを充分に落として、イルミネーションや夜景に撮影条件を合わせる。
(そのまま、フラッシュを焚かずに被写体を撮影すれば、被写体はほぼ真っ暗な状態である)
先に言ったように、遠い背景にストロボの光は到達しないので、この設定で、フラッシュを被写体に当ててやると、見事、両方共の露出が合うようになるのだ。
さて、スローシンクロで、走る車を撮影するとしよう。
露出時間は2秒とする。
ここで、二種類の写真の可能性が出てくる。
ストロボが光るのは、一瞬である。この光は、2秒の中のどのタイミングとなるだろうか? シャッターを押した直後なのか、それともシャッターが上がる直前なのか?
先にフラッシュが焚かれると、車の姿は、シャッターを切った位置に現れる。そして、その位置から、進行方向に向かって、ヘッドライトの光が伸びていく。
後にフラッシュが焚かれると、今まで走ってきたヘッドライトの軌跡の先に自動車の姿が撮影されることになる。
先幕シンクロ、後幕シンクロと呼ばれ、先にフラッシュが焚かれるのが、先幕シンクロで、後に焚かれるのが後幕シンクロである。
ストロボについては、ざっとこんな所。
スタジオ撮影用のストロボなんかについては、知識が追いついていないのでご免なさい。
機材も複雑で、沢山の種類が存在します。
尤も、そういうのは、スタジオマンの仕事だし、彼らもプロなので、スタジオを使うとなった時に、どのようなセッティングが良いのか、一度相談してみるべきだろう。
言葉のこと
先ずは用語の説明だけど、フラッシュもストロボも、そしてスピードライトや、エレクトロニックフラッシュと呼ばれるモノは、全て同じものである。
各社で呼び方が違うだけである。
以前、何処かのブログで、「スタジオにあるようなのがストロボ、外付けのがスピードライト、内蔵がフラッシュと言う」とか訳の分からない事を言っていて、ぎょっとしたことがある。
当然、突っ込みが入っていたが、どうやら思い込みで書いていたらしい。
「ストロボ」は、元々ストロボリサーチ社の商標であったが、現在は失効しているので、使いたい所が適当に使っている。
なお、カメラのホットシューに取り付けるストロボを「クリップオン・フラッシュ」なんて言ったりします。
スタジオで使うようなストロボには、ジェネレーターとフラッシュヘッドの二つに分かれたものと、二つが一つに組み合わさったモノブロックのストロボと言うものがあります。
こんな偉そうなこと書いて、スタジオ撮影とかしないから、細かい所は分かんないです。
ストロボを発光させることを「焚く」なんて言い方しますが、これはその昔、マグネシウム粉末を「焚いて」光源としていたからです。
小学校か中学校の理科の実験で、マグネシウムリボンを燃やした事ってありますよね? 白色の強い光が、瞬間的(電気で動くストロボに比べれば遅いのですが)に走るのです。
その後、閃光電球などを経て、今は、電気で動作するストロボが殆どの場合使われます。
閃光電球もフラッシュ扱いなので、これと区別する時に、エレクトロニックフラッシュと言う言葉を使います。
プロセス
ストロボが何をやっているかというと、明るい光を当てると言う事をやっているだけである。
では、それが写真となるプロセスはどうなっているだろうか?
ここでは、他に照明や窓のない真っ暗な部屋を想定しよう。
被写体とカメラ、そしてカメラにはストロボが内蔵されている。
①カメラマンは、カメラのシャッターを切ると、シャッター幕が開き、露出が始まる。
しかし、この部屋は真っ暗なので、イメージセンサーには光が入らない。
②ここで、ストロボが発光する。
人間の目には一瞬だが、スローモーションで見れば、一定時間続く光である。
③強い光が当たった被写体をカメラのセンサーが捉える。
④そして、ストロボの発光が終わり、闇に包まれると、シャッター幕は閉じる。
本当のところは、少し違う所※があるが、概念はこう言う事である。
この時、ストロボが光っている間と、シャッターの開いている時間は同期する必要がある。
つまり、ストロボの光が十分でないうちにシャッター幕が閉じてしまうと露出が不完全になってしまうからだ。
シャッター幕が長く開いている分には露出は変わらないが。問題となるのは必要最低限の一番短い時間となります。
これはフラッシュによって違っており、このシャッタースピードのことを「シンクロタイム」と言う。
後述する、"スローシンクロ"とか、"日中シンクロ"のシンクロとは、このシンクロタイムのことである。
シンクロタイムは、最近のストロボでは1/250秒が殆どです。
しかし、少し古くなると1/125秒や、1/60秒も必要になります。※少し違う所
本当のところは、シャッター幕は(基本的に)横へ走るので、その走っている間光っている必要がある)
ガイドナンバー
ストロボの性能の指標として、ガイドナンバーというモノがある。略して「GN」とか「G.N.」とか書く。
ガイドナンバーとは、一言で言えば、ストロボの光の強さの事だ。
この数字が大きければ、強い光を出すことが出来るという意味になる。
強い光が出ると言う事は、どういう影響を及ぼすだろう?
先ずは、絞りを大きく絞り込んでも、十分な光で被写体を照らすことが出来る。
或いは、遠い所にも光を当てる事が出来るだろう。
つまり、F値と被写体とストロボとの距離の関係になる。
その具体的な計算式は以下の通り。
強い光が出ると言う事は、どういう影響を及ぼすだろう?
先ずは、絞りを大きく絞り込んでも、十分な光で被写体を照らすことが出来る。
或いは、遠い所にも光を当てる事が出来るだろう。
つまり、F値と被写体とストロボとの距離の関係になる。
その具体的な計算式は以下の通り。
a = g / d * √[s/100]
a : 絞り
gn : ストロボのガイドナンバー
dn : ストロボと被写体との距離
s : ISO感度
例えば、ISO200の感度にして、ストロボのGNが12、被写体との距離が、1.5mだとしよう。
この状態でフラッシュの光を直接当てるとしたら、どのような絞りが最適だろうか?
12 / 1.5 * √(200/100) = 11.3
答えは、F11である。
フラッシュを焚く場合は、シャッタースピードは基本的に無視である。
先の例では、全く暗い部屋を想定したが、しかし、フラッシュが必要になる条件とは、カメラにとって大抵、真っ暗と言える条件だからだ。
先の例では、全く暗い部屋を想定したが、しかし、フラッシュが必要になる条件とは、カメラにとって大抵、真っ暗と言える条件だからだ。
試しに、夜間の室内(蛍光灯程度の明るさ)でF5.6、ISO感度200、SS1/125secで撮ってみよう。
真っ暗な写真になるはずだ。カメラにとっては、事実上、光が存在しないのと同じなのだ。
しかし、この状態でストロボ(カメラ内蔵のものでよい)を焚くと、しっかりと写るはずだ。
つまり、ストロボの光のみを使って写真を撮っていることになる。
もう一度言うけど、後述する、日中シンクロとか、スローシンクロは、通常の環境光も利用した上でストロボも使うというワザである。
尤も最近のカメラとストロボは、この辺をしっかり自分で計算してくれるので、あんまり考える必要はなかったりします。
最悪でも、デジカメならトライアル・アンド・エラーで何とかなりますからね。
カメラから離して使う場合
ストロボは、カメラにくっつけた状態で使われる事が多いですが、これを外して使用することも可能です。
これは、例えば、被写体の脇から光を当てたいとか、複数のストロボを焚きたい時などに使います。
メーカー純正のカメラとストロボの組み合わせの場合、この辺を良い感じにやってくれる仕組みがあります。(ニコンノ場合は、クリエイティブ・ライティング・システムなんて言いますね)
大抵は、赤外線で通信を行い、発光量の加減を自分たちで決めてしまうのです。
しかし、それ以外の接続の方法もあります。ケーブルで繋ぐ場合と無線で繋ぐ場合、そして受動的に光るストロボを使う場合です。
ケーブルを使う方法は、カメラとストロボにある、シンクロターミナルをシンクロコードを使って接続します。
シンクロターミナルは、最近は一部の高級機にしか装備されていません。
そうでないカメラでこれを使用する場合、ホットシューに「シンクロターミナルアダプター」と呼ばれるものを取り付けることで利用可能になります。
簡単に説明すれば、ホットシューの電極をケーブルにして延長したのが、シンクロターミナルとシンクロコードと考えて良いでしょう。
無線で行う場合は、「ワイヤレス・フラッシュ・アダプター」(商品名によって多少異なる)なんてものを利用します。
これは、カメラ側に親機、ストロボ側に子機をくっつけて使用します。
これらの道具は、ホットシューまたはシンクロターミナルを使って、カメラやストロボに接続します。
この手の商品は、海外からの輸入品も沢山ありますが、一部電波法に引っかかる商品もあるので、ちゃんとした所で買った方がよいでしょう。
これらの方法を用いずに、何処かで光ったストロボの光を受けて、自分も光り始めるという仕組みもあります。
これをスレーブ機能と言い、サードパーティのフラッシュに搭載される事が多いです。
また、スレーブ機能だけを持つストロボも存在しています。(EX:ヒカル小町)
手持ちのストロボにスレーブ機能が付いていない場合、スレーブユニットと言うものを使う事も出来ます。
スレーブユニットは、シンクロターミナルを装備するものと、ホットシューで繋がるもの、そして両方で繋がるものもあります。
因みに、これらの方法では、シャッターを押したという信号だけが発信されるだけなので、発光量は、マニュアルで決めなければなりません。
多灯
複数のストロボを利用する時、(同じ機能を有する)純正品だけを利用する場合以外、マニュアルでの撮影を強いられることになる。
デジカメ時代なんだから、トライアル・アンド・エラーでやっていけばいいことなんだけどさ。
それでも、一応計算の方法を書いておきます。
a = √[ (g1/d1)^2 + (g2/d2)^2 + (g3/d3)^2 + …… + (gx/dx)^2 ] * √[s/100]
a : 絞り
gn : n番のストロボのガイドナンバー
dn : n番のストロボと被写体との距離
s : ISO感度
古いタイプのストロボ
ジャンク品でも使えるものは使えるのだけど、古いタイプのストロボや、(HOLGAなどの)トイカメ用のストロボの場合、高電圧がそのままホットシューに掛かるので、デジカメなどの機器には使わない方が良い。
一応保護回路や、そういうストロボでも使えるような仕組みなどが搭載されているようだが、何かを保証している文言を見かけたこともないので、使用しないに越したことはない。
日中シンクロ
日中シンクロとは、日中でもストロボを使うワザである。
例えば、背景は明るいが、被写体は日陰に入ってしまっている場合に使う。
照明を当てるとか、レフ板を使用すると言う方法以外に、ストロボを使うという手もあるのだ。
背景には、ストロボの光は届かないので、絞りやシャッタースピード(勿論シャッタースピードは、シンクロスピード以下にしなければならないが)、そしてISO感度を背景の明るさに合わせて決める。
そして、被写体への光は、ストロボの発光量を加減してやる。
そうすると、明るい背景の中に、被写体が埋もれると言うことがなくなる。
しかし、問題が生じる。
日中で撮影する場合、シャッタースピードはどうしても1/2000秒とか、かなり速いスピードになってしまう。これを無理矢理1/250秒なんかに設定すると、とんでもなく絞り込まなくてはならなくなり、背景をぼかしたい場合なんかに使えない方法となる。
こういう時に取り出すのがNDフィルターである。
絞りを絞り込まなくても、入ってくる光を低減させられるので、日中シンクロがやりやすくなるのだ。
スローシンクロ
では、夜景を撮る時にはどうだろう?
ストロボで撮ると、モデルは美しく写るが、背景の街の明かりやイルミネーションが撮影出来ない。
かといって、ストロボを使わないと、モデルが真っ暗になってしまう。
ここで思い出して欲しいのは、ストロボが必要な時は、基本的に真っ暗だと言う事だ。
先ず、シャッタースピードを充分に落として、イルミネーションや夜景に撮影条件を合わせる。
(そのまま、フラッシュを焚かずに被写体を撮影すれば、被写体はほぼ真っ暗な状態である)
先に言ったように、遠い背景にストロボの光は到達しないので、この設定で、フラッシュを被写体に当ててやると、見事、両方共の露出が合うようになるのだ。
さて、スローシンクロで、走る車を撮影するとしよう。
露出時間は2秒とする。
ここで、二種類の写真の可能性が出てくる。
ストロボが光るのは、一瞬である。この光は、2秒の中のどのタイミングとなるだろうか? シャッターを押した直後なのか、それともシャッターが上がる直前なのか?
先にフラッシュが焚かれると、車の姿は、シャッターを切った位置に現れる。そして、その位置から、進行方向に向かって、ヘッドライトの光が伸びていく。
後にフラッシュが焚かれると、今まで走ってきたヘッドライトの軌跡の先に自動車の姿が撮影されることになる。
先幕シンクロ、後幕シンクロと呼ばれ、先にフラッシュが焚かれるのが、先幕シンクロで、後に焚かれるのが後幕シンクロである。
ストロボについては、ざっとこんな所。
スタジオ撮影用のストロボなんかについては、知識が追いついていないのでご免なさい。
機材も複雑で、沢山の種類が存在します。
尤も、そういうのは、スタジオマンの仕事だし、彼らもプロなので、スタジオを使うとなった時に、どのようなセッティングが良いのか、一度相談してみるべきだろう。
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